フケに悩む中学生の声
■ フケが全然おさまりません(13歳男子)
中一の冬からフケが目立ち始めて困っています。冬服は学ランなので白いフケがますます目立ってかなり不潔に見えます。払ってもすぐに肩につくし、念入りにシャンプーをしても一向に良くなる気配がありません。
■ べたついたフケが髪に付いて大変です(15歳男子)
フケといったら冬のイメージなのですが、僕の場合は、じめじめした梅雨や蒸し暑い夏に増えます。髪に引っ付いたまま雪が降り積もったような見た目になるのがすごく嫌です。頭をかくと爪の間にべたついたフケが詰まります。何とかしたいです。
このように大量のフケに悩む声が届いています。続けてフケが出る仕組みやフケを解消する対策についてご紹介します。
フケとは
フケは身体の仕組みによるものなので誰にでも発生します。まずはフケとは何なのか、どんな仕組みでできるのかを確認して、これらの疑問を解決しましょう。
フケは古くなった皮膚細胞の塊
頭皮を含めた皮膚は細胞が積み重なった3層の構造からできており、最も外側にある表面の層を表皮といいます。
表皮とはわずか0.2mmほどの厚さしかない非常に薄い細胞の膜です。表皮をさらに細かく分類すると4つの層があり、外側から内側に向けて角質層、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の順で構成されています。

表皮では最下層の基底層から常に新しい細胞が作り続けられ、古くなった細胞を上に押し上げる形で細胞分裂を繰り返して皮膚を保っています。
押し上げられた古い細胞は一番上の角質層まで届くと、やがて剥がれ落ちて体外に排出されます。剥がれ落ちた古い角質細胞こそフケの正体です。
フケには2種類ある
フケといっても皮膚の乾燥が原因の乾性フケと、皮膚の油分(皮脂)が原因の脂性フケの2種類があります。
乾性フケは皮膚が乾燥して本来よりも早く角質細胞が剥がれることで増加します。一方、脂性フケは皮脂の過剰な分泌をきっかけに、雑菌の繁殖、皮膚への刺激に影響して増加するフケです。
フケとターンオーバーの関係

新しい細胞が作られて古くなって剥がれるまでのサイクルを新陳代謝といいます。
表皮では基底細胞で角質細胞のもととなる細胞が作られ、それが成長段階を経て角層から剥がれて新陳代謝を繰り返しています。皮膚で起こる新陳代謝はターンオーバーと呼ばれ約45日かかります。
出典:皮膚病治療情報・皮膚科教科書「あたらしい皮膚科学 第2版」
ターンオーバーが正常に行なわれていれば頭皮が傷ついたり乾燥したりしても、下から新しい角質細胞が表れるため、古い角質細胞が剥がれても健康な頭皮を維持できます。
ただし、ターンオーバーが正常でなく乱れた状態では、健康な頭皮を維持できない、ということです。ターンオーバーが短くなると、早い段階で表皮の細胞がフケとなって剥がれ落ちるため、フケの量が多くなってしまうのです。
フケが目立つ人と、「フケがない人」の違い
ターンオーバーはすべての人の皮膚で起きています。古くなった頭皮の角質細胞も、誰もが体外に排出しています。ではなぜフケの症状が目立つ人と、まったくフケが目立たない人がいるのでしょうか。
ターンオーバーが正常な場合のフケは目に見えないほどごく細かい粉状になって剥がれ落ちます。 細かいフケは髪を洗った際にほとんどが流れ落ちますし、髪に残ったり服に付着したりしても目立つことないため周囲にも気づかれません。
一方、ターンオーバーのサイクルが乱れて本来より早い段階で角質細胞が剥がれると、まだ細かくなっていない状態でフケが発生します。するとフケは目に見えるほど大きな白い粉状になり、ときには手でつまめるほど大きな塊になります。
つまり、ターンオーバーが正常な頭皮ではフケが出ても目立ちませんが、ターンオーバーが乱れた頭皮ではフケが大きな塊となって大量に発生するため目立ってしまうのです。
男子中学生にフケが多い3つの原因
頭皮のターンオーバーのサイクルが短くなる原因は複数あります。男子中学生の場合、睡眠不足、皮脂の洗い残し、紫外線の3つが主要な原因となるでしょう。
睡眠不足
部活の朝練や夜遅くまでのテスト勉強などで充分に眠れず睡眠不足になると、フケが増えることがあります。
ターンオーバーは睡眠中に分泌される成長ホルモンの作用によって活発化し、正常で理想的なサイクルに近づきます。もし睡眠時間が足りていなかったり、熟睡できていなかったりして、成長ホルモンの分泌量が少なくなると、ターンオーバーのサイクルは乱れやすくなります。
皮脂の洗い残し
中学生は「第二次性徴」という、性ホルモンのはたらきによって身体が子供から大人に成長する時期にあたります。性ホルモンには男性ホルモンと女性ホルモンがあり、男子の場合は男性ホルモンの分泌量がとくに多くなります。
男性ホルモンの作用は多種多様です。男らしい筋肉質な身体を作る、精子を作るといった身体の成長に大きく関わるはたらきが多数ありますが、そのうちのひとつに「皮脂の分泌量増加を促す」という、フケの原因につながる作用もあります。
多くなった頭皮の皮脂を落としきれずにいると、皮脂をエサにして繁殖するマラセチア菌が繁殖します。マラセチア菌は皮脂中の中性脂肪を酵素で分解し、脂肪酸を排出します。脂肪酸が頭皮への刺激となり、基底層の細胞分裂を早めるため、ターンオーバーが短くなり、結果フケの発生、増加につながります。
また、10代の頭皮は臭いやすく、とくに皮脂を洗い残すと嫌な臭いが目立ちます。
紫外線
屋外で活動する運動部の男子中学生や、外で遊ぶ機会が多い男子中学生は紫外線によってターンオーバーが乱れている可能性があります。
頭皮の角質層は紫外線をはじめとした外部の刺激や異物から頭皮を守るバリアの役割をもっています。紫外線を浴びる時間が長いと、角質層は層を厚くしたり、硬くしたりしてバリア機能を高めようとします。この状態を角質肥厚(かくしつひこう)といいます。
出典:薬学雑誌126(9)小林静子「紫外線B波照射による皮膚障害とその予防・治療-y-Tocopherol 誘導体塗布の効果-」
正常な薄さの角質層は水分が多く潤いを保っていますが、角質肥厚の状態になると潤いを保てなくなってカサカサした硬い状態になり、頭皮は乾燥します。すると免疫力が低下し、ターンオーバーのサイクルを早めることになります。
フケを減らす3つの対策方法
フケの原因がわかったらフケ改善まであと一歩です。原因別の対策方法を実践してフケを減らしましょう。
睡眠の質を高める
■ 睡眠には2種類ある
睡眠には身体は眠っていても脳が起きているレム睡眠、脳も身体も眠っているノンレム睡眠の2種類があります。レム睡眠とノンレム睡眠には一定時間で切り替わる周期があり、一晩のうちにそれらを繰り返して脳や身体を休めます。
ノンレム睡眠の役割は脳を休ませて成長ホルモンの分泌や身体の修復をすることです。ノンレム睡眠は熟睡状態とも呼ばれ、夜間に入眠した2~3時間に集中して、朝方になるにつれて割合が少なくなります。
出典:広島大学総合科学部人間行動研究講座資料 「ヒト睡眠の基礎(堀 忠雄) 4.睡眠周期と生物リズム」
■ 頭皮を健康にするにはノンレム睡眠が重要
ターンオーバーを促す成長ホルモンを充分に分泌させるにはノンレム睡眠を充分にとることが重要です。
眠る直前に脳が興奮状態になると眠りづらくなります。また、精神的なストレスを感じていると、入眠を妨げるだけでなく睡眠を抑制するホルモンが分泌されます。
出典:日本睡眠学会「初心者のための睡眠の基礎と臨床」
ですからノンレム睡眠をとるために脳が興奮状態にならないように寝る直前の激しい運動やテレビ、パソコンの視聴を避け、精神的なストレスを日頃からこまめに発散する習慣を心がけましょう。
■ 睡眠の質を向上させるには
睡眠の質を高める簡単な方法は脳や身体を疲れさせることです。日中に活動すると脳内に睡眠物質が溜まるため、夜に眠気を感じやすくなります。
ですから睡眠の質を高めたいときはふだんよりたくさん運動したり勉強したりするのがおすすめです。また、眠気は体内時計によって左右されるので規則的な生活リズムを心がけることも大切です。
出典:健康日本21(第2次)に即した睡眠指針への改定に資するための疫学研究「健康づくりのための睡眠指針2014に基づいた保健指導ハンドブックの活用効果を高める教材」
皮脂をしっかり洗えるシャンプーを使う
皮脂の分泌量が多く頭皮がベタついている男子中学生は、しっかり皮脂を洗い流せるシャンプーを使いましょう。また、シャンプーを見直すのはもちろん、洗い方ひとつ工夫するだけで皮脂を効率よく洗い落とせます。
反対に、間違った方法で頭皮を洗い続けると頭皮トラブルにつながる場合があります。
頭皮にスプレータイプの日焼け止めを使う
紫外線を浴びる機会が多いならば、頭皮にも日焼け止めを使い、紫外線対策をしましょう。
日焼け止めにはクリーム、ローション、パウダー、スプレーなど様々な種類がありますが、頭皮に使う場合はスプレータイプがおすすめです。クリーム、ローション、パウダーなどは髪がベタついたり白くなったりするため、頭皮の日焼け用には向いていません。
一方、スプレータイプならベタつきや着色の心配もなく、頭皮にもなじみます。
帽子をかぶる、できるだけ日差しを避けられる場所で過ごすなどの工夫も効果的です。
良質な睡眠、シャンプーの見直し、紫外線の対策といった3つの対策を徹底することは10代の薄毛の予防にもつながります。
まずは自分のフケの原因を見つける

男子中学生は年齢的にフケが発生しやすい原因を多く抱えています。 下記のフケの原因と対策法とを把握して、自分にあてはまるものは解消しましょう。
● 睡眠不足:睡眠の質を高める、夜ふかしを避ける
● 皮脂の洗い残し:皮脂をしっかり落とせるシャンプーを使う
● 紫外線:スプレータイプの日焼け止めを頭皮に使う
フケの悩みは、原因に適した対策をすることで改善できます。人によっては原因がひとつだけではなく、複数該当することもあります。一度自分の生活習慣を見直し、フケの原因を特定してから解決を目指しましょう。


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