ストレスで抜け毛が増える仕組み

抜け毛は誰にでも見られる生理現象の1つですが、以前と比べて抜け毛の量が増えている方は、ストレスが蓄積しているのかもしれません。ストレスにより抜け毛が増えるのには下記の仕組みが関係しています。

  • 亜鉛が不足する
  • 自律神経が乱れる
  • ホルモンバランスが乱れる

はじめに、ストレスで抜け毛が増える仕組みについて見ていきましょう。

亜鉛が不足する

亜鉛にはアミノ酸を再合成して、髪の毛の原料となるケラチンに作り替える働きがあるのですが、ストレスがかかると不足することがあります。

ストレスがかかると一時的に血液の流れが悪くなります。
血液の流れが悪くなると、脳から血液の流れを正常化するように指令が下されるのですが、その際に活性酸素が発生します。活性酸素とは体内の酸素が通常より活性化した状態のもので、ほかの物質を酸化させダメージをあたえる恐れがあります。
そのため活性酸素は分解する必要があるのですが、分解には亜鉛が必要です。

そのためストレスがかかると活性酸素を分解するために亜鉛が消費され、ケラチンが作れずに抜け毛や薄毛につながるのです。

自律神経が乱れる

自律神経とは血圧や瞳孔、心拍数などを調整するために自律的に働く神経です。 自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分かれています。昼間に交感神経が優位になり身体が活発な緊張状態に、夜間は副交感神経が優位に傾きリラックスした状態になります。
ところが、ストレスがかかり続けると自律神経の乱れ、夜間も交感神経が常に優位な状態に。血管が収縮して血液を全身に送り届けにくくなります。
その結果、髪の毛の成長に必要な栄養が頭皮に届かなくなり、抜け毛や薄毛のリスクを高めます。

ホルモンバランスが乱れる

ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れ、男性ホルモン分泌が増加するといわれています。
男性ホルモンは皮脂の分泌に関与しており、男性ホルモンが増加すると皮脂の分泌量も増加。皮脂が過剰に分泌されると毛穴から排出しきれなくなります。

皮脂が頭皮の毛穴を塞ぎ雑菌が繁殖して頭皮環境の悪化を招きます。
頭皮環境が悪化した結果として抜け毛や薄毛のリスクが高まるのです。

ストレスによる脱毛症

抜け毛は脱毛症の発症にともなって増加する傾向にありますが、ストレスとの関係が疑われる脱毛症として以下の3例が挙げられます。

  • 男性型脱毛症
  • 休止期脱毛症
  • 円形脱毛症

男性型脱毛症

男性型脱毛症は男性ホルモンに起因する遺伝性の脱毛症です。男性型脱毛症の発症にともなって抜け毛が増えるメカニズムは以下の通りです。

1.テストステロンが活性の高いジヒドロテストステロンへと変化する
2.ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体と結合してTGF-βを産生する
3.TGF-βによってヘアサイクルの成長期が短縮されて抜け毛が増える

男性型脱毛症には遺伝が深く関わっておりストレスが男性型脱毛症の直接的な原因であるとは断言はできませんが、関与している可能性もあります。

発症すると、頭頂部を中心に地肌が目立つようになったり、額が後退したりする点が特徴です。治療で改善が見込めるため、早めにクリニックを受診しましょう。

休止期脱毛症

休止期脱毛症はヘアサイクルの成長期の髪の毛が、急激に休止期へと移行し、抜け毛の量が増える脱毛症の一種です。

ヘアサイクルは髪の毛の「成長期」「退行期」「休止期」に分かれており、大部分を成長期が占めています。
しかし、何らかの原因によってヘアサイクルが急激に休止期へと移行すると、休止期脱毛症の発症リスクが高くなるのです。

休止期脱毛症の原因はストレスをはじめ、栄養失調や高熱、手術、大量出血などさまざまです。
急激に抜け毛量が増えるのが休止期脱毛症の特徴です。ストレス状態から抜け出し、一定の時間が経つと改善されるケースも多いためストレスから距離を置くようにしましょう。

円形脱毛症

円形脱毛症はある日突然のようにまとまった範囲の髪の毛がごっそり抜け落ちる脱毛症です。
本来であれば自分の身体を守るべき免疫系によって毛包が攻撃され、抜け毛を引き起こすのが円形脱毛症のメカニズムです。

年齢や性別問わず発症する可能性があります。円形脱毛症の原因は明らかにされていませんが、近年ではストレスによる自己免疫疾患が原因ではないかといわれています。

ストレスによる抜け毛の対処方法

抜け毛の原因はさまざまですが、ストレスが原因だと分かれば自分で対処する方法もあります。

  • ストレスを発散する
  • 抜け毛部分をカバーする
  • 病院に相談する

ここでは、ストレスによる抜け毛の対処方法について解説します。

ストレスを発散する

毎日のように過度なストレスがかかる環境にいるのなら、ストレスの元から離れるのが一番です。
しかし、ストレス社会とも言われる現代において、完全にストレスを受けないのは難しいでしょう。そのため、自分なりのストレス発散法を見つけておくのが重要です。

ストレス解消法としては以下の例が挙げられます。

  • 日頃から適度に身体を動かす
  • 感動する映画を見て涙を流す
  • 時間を忘れて趣味に没頭する
  • 気の置けない友人や知人と楽しく会話する
  • 休みの日にハイキングなどでリフレッシュする
  • アロマを焚いたり入浴したりしてリラックスする

抜け毛部分をカバーする

抜け毛部分が人目に晒されるのにストレスを感じる方も多いでしょう。
抜け毛部分をカバーすると気持ちが楽になり、ストレスを軽減する効果が期待できます。

抜け毛部分をカバーする方法としては以下の例が挙げられます。

  • 帽子をかぶる
  • かつらやウィッグを利用する
  • バンダナなどおしゃれなアイテムを利用する

病院に相談する

抜け毛や薄毛を根本的に改善したいなら、病院やクリニックに相談するのが一番です。
特に抜け毛が男性型脱毛症や円形脱毛症の発症によるのであれば、病院やクリニックで適切な治療を受けないと改善が期待できません

病院やクリニックでは専門医による問診や検査が行われ、一人ひとりの症状に応じた治療法の提案やアドバイスが受けられます。
的確な治療やアドバイスが受けられると気持ちも楽になるため、抜け毛の原因が分からない時は、まず専門医の診察を受けると良いでしょう。

ストレスによる抜け毛が悪化する習慣

ストレスを発散し、健康的な髪の毛を目指しましょう

日々のストレスが蓄積すると、活性酸素の産生量が増加したり、自律神経やホルモンのバランスが乱れたりして、抜け毛のリスクを高めます。
ストレスを完全にシャットアウトするのは難しいため、自分なりのストレス発散法を見つけておき定期的に実践するのがおすすめです。

また、乱れた食習慣や睡眠不足、間違ったヘアケアなどはストレスによる抜け毛を悪化させる恐れがあります。今回ご紹介した方法を参考に改善に取り組みましょう。
心身の健康だけでなく、髪の毛にとってもストレスは大敵です。日ごろから適度にストレスを発散し、健康的な髪の毛を目指しましょう。