かさぶたとは

かさぶたは体液の一種である血液や漿液などが固まってできたもので、医学的には痂皮(かひ)と呼ばれています。
痂皮は身体が作り出す絆創膏のような存在であり、主な役割は傷口に雑菌が侵入するのを防ぎ、肌が再生するのを助けることです。
痂皮ができるまでの体液が固まりかけている状態を結痂(けつか)と呼んでおり、乾燥して赤黒くなるとかさぶたと呼ばれるようになります。
かさぶたの内側では細胞分裂が活発に起こっており、傷が治るとかさぶたは役割を終えて自然と剥がれ落ちます。
フケとかさぶたの違い
フケとかさぶたの主な違いは以下の表の通りです。
フケ | かさぶた | |
|---|---|---|
発生する仕組み | 肌の新陳代謝 | 傷の修復・肌の再生 |
見た目 | 白くてかさかさしている、または黄色っぽくてベタベタしている | 赤黒い見た目をしている |
サイズ | 目に見えないほど小さなものから、数ミリメートルの大きさまでさまざま | 傷口の大きさによって数ミリメートルから10数センチメートルまで |
できる部位 | 頭 | 全身 |
体液 | 含まない | 含む |
フケとかさぶたの決定的な違いは、体液を含んでいるかどうかです。
かさぶたのなかにはフケと同程度の大きさのものもありますが、血液や漿液を含む点がフケとの大きな違いです。
なお、頭皮にフケ・かさぶたができたときは、いずれのケースでも頭皮の状態が悪化している可能性があります。
大きいかさぶたの原因

かさぶたはそもそも傷口を細菌から守ったり、肌の再生をサポートしたりする目的で作られます。
かさぶたのきっかけとなる傷ができる主な原因としては、以下が挙げられます。
・乾燥
・ヘアケア
・生活習慣
はじめに、大きなかさぶたができるリスクを高める原因について解説します。
乾燥
頭皮に大きなかさぶたができる原因の1つが乾燥です。
健康な肌の内部には十分な水分が蓄えられており、表面は皮脂と汗で構成される皮脂膜がバリアのように外部の刺激から肌を守っています。
何らかの原因で頭皮が乾燥すると、外部の刺激によるダメージを受けやすくなるため、大きなかさぶたができるリスクが増加します。
頭皮が乾燥する主な原因は以下の通りです。
・紫外線
・冬場の空気の乾燥
・エアコンの風
・もともとの肌質
・加齢など
ヘアケア
以下のような間違ったヘアケアにより頭皮環境が乱れると、かゆみが発生して無意識に掻きむしってしまい、傷を作る可能性があります。
・シャンプーの回数が多い・少ない
・汚れを落とし切れていない
・ドライヤーをしていない
・ドライヤーを掛けすぎている
・頭皮をゴシゴシ擦っている
シャンプーの回数が少ないと皮脂や汚れを落としきれず、雑菌が繁殖してかゆみを生じ、無意識に掻きむしって傷を作る可能性があります。
シャンプーの回数が多いと肌を守るために必要な皮脂膜が失われ、バリア機能の低下によりダメージを受けやすくなります。
ドライヤーをかけないと湿った環境を好む雑菌が繁殖し、かゆみを引き起こすほか脂漏性皮膚炎などの病気を招く恐れがあるため注意が必要です。
反対にドライヤーをかけすぎると頭皮が乾燥し、バリア機能の低下を招きやすくなります。
また、頭皮をゴシゴシ擦って洗ったり拭いたりすると、機械的刺激により傷ができる可能性が高くなります。
生活習慣
食事や睡眠など生活習慣の乱れによって頭皮環境が悪化し、かさぶたにつながるケースもあります。
例えば脂質の多い食べ物を好んで摂取していると、皮脂が過剰に分泌されてマラセチアなどの常在菌が異常繁殖を起こし、かゆみや傷が発生するリスクが増加します。
スナック菓子やジャンクフードなどは脂質を多く含むため、過剰な摂取は避けるようにしましょう。
睡眠不足が続くとターンオーバーのサイクルに乱れが生じ、未熟な角質細胞が表面に押し出されてバリア機能の低下を招きやすくなります。
さらに、睡眠不足により自律神経のバランスが乱れると、血行不良に伴い頭皮に送られる血液が減少し、頭皮の乾燥を招く可能性があります。
大きいかさぶたへの対処方法

大きいかさぶたができた際には症状を悪化させないために、以下の対処を怠らないようにしましょう。
・かかない
・剥がさない
・優しくヘアケアをする
・規則正しい生活を送る
対処法を誤ると傷が治るのが遅くなったり、傷口がさらに深くなったりするため気をつけてください。
かかない
大きいかさぶたができたとしても、かかないのが原則です。
かさぶたができて傷が治る過程で肌の内部ではヒスタミンが放出されます。
これによりかゆみが現れやすくなりますが、かゆいからといってひっかいてしまうと傷口が露出して治癒の遅れを招きます。
また、傷口がさらに深くなり、最悪のケースでは傷跡が残ってしまうため注意が必要です。
かさぶたに伴って耐えがたいかゆみが生じた際には、市販のかゆみ止めを利用するなどしてできるだけかかないように対策しましょう。
剥がさない
大きいかさぶたができた際に、爪などでひっかいて剥がすのはNGです。
かさぶたを剥がすと雑菌の侵入により化膿を起こしたり、治癒を遷延させたりする恐れがあります。
また、ひっかく行為により傷口がさらに広がったり、深くなったりする可能性もあります。
頭皮を触った際に気になるからといって、かさぶたを剥がすのは厳禁と覚えておきましょう。
かさぶたがなかなか治らない方や気になって仕方がない方は、医療機関を受診して適切に処置してもらうのがおすすめです。
優しくヘアケアをする
頭皮に大きいかさぶたができたら、優しくヘアケアする必要があります。
頭皮をゴシゴシ擦るような洗い方をしていると、かさぶたがはがれて傷口の回復が遅れるため注意しましょう。
また、かさぶたができるような頭皮環境を続けると、いったん傷口が改善しても、再びかさぶたが発生する可能性があります。
洗髪の際には指の腹で優しくマッサージするように頭皮を洗い、ぬるま湯でシャンプーやコンディショナーをしっかりと洗い流しましょう。
洗髪後に頭皮のかゆみが出る方はシャンプーが肌質に合っていない可能性があるため、洗浄力のマイルドなアミノ酸系シャンプーに替えてみてください。
規則正しい生活を送る
頭皮環境は食習慣や睡眠習慣にも左右されるため、かさぶたのできにくい健康的な頭皮を目指すには普段から規則正しい生活を送る必要があります。
頭皮は毎日の食事から摂取する栄養素をもとに作られるため、栄養バランスの取れた食事を心がけてください。
皮脂の過剰な分泌が気になる方はビタミンB群を意識的に摂取するのがおすすめです。
適切な睡眠時間は人により異なりますが、一般的には6~8時間の睡眠をとるよう推奨されています。
ただし、睡眠時間を確保しても、眠りが浅いと意味がありません。
睡眠の質を高めるためになるべく早寝早起きし、朝日を浴びて体内時計をリセットしましょう。
フケ・かさぶたが現れる病気
フケやかさぶたは以下の病気により発生するケースもあります。
・乾癬
・白癬
・トンズランス感染症
・脂漏性皮膚炎
・皮脂欠乏性湿疹
・アトピー性皮膚炎
・アタマジラミ
フケの量が異常に多い方や、かさぶたがなかなか治らない方は参考にしてください。
乾癬
乾癬は肌の乾燥にともない、魚のウロコのような鱗屑が剥がれ落ちたり、肌が赤く腫れたりする病気です。
乾癬にはいくつかのタイプがありますが、大半を占めるのが尋常性乾癬です。
発症原因は1つではなく、遺伝的な体質に環境的な要因が絡み合った結果発症すると考えられています。
治療する際には、外用薬や内服薬を用いるのが一般的です。
感染症ではないため他人に伝染する可能性はありませんが、改善と再発を繰り返すなど慢性的な経過をたどりやすいため、完治するまでしっかりと治療する必要があります。
白癬
白癬は皮膚糸状菌による感染症で、頭部に発症した際には「しらくも」と呼ばれるケースもあります。
水虫と同じ原因菌により頭部に感染を起こし、頭皮が赤くなったりかゆみを生じたりするうえ、楕円形に抜け毛を生じる恐れもあるため、放置するのはよくありません。
自分の足に潜んでいる皮膚糸状菌が原因で感染するケースもあれば、他人やペットからうつるケースもあります。
治療には抗真菌薬を用いるのが一般的ですが、成人では硫化セレンシャンプーを使用するケースもあります。
トンズランス感染症
トンズランス感染症は、カビの一種である真菌による感染症です。
海外から持ち込まれた真菌による感染症で、2000年ごろからコンタクト系のスポーツ選手に多く乾癬が見られています。
近年では年少者やコンタクト系のスポーツとは無縁の方にも感染が見られるようになっています。
トンズランス感染症の発症が疑われる際には、抗真菌薬を用いて治療するのが一般的です。
症状が白癬と似通っていますが、トンズランス感染症は感染力が非常に強い点が特徴です。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、常在菌の一種であるマラセチアが異常に繁殖し、肌にかゆみや赤みを生じる病気です。
頭皮に発症した際には、ベタベタとした黄色いフケや、白っぽくてカサカサとしたフケの両方が見られます。
脂漏性皮膚炎の原因は明らかにされていませんが、皮脂の過剰な分泌によって発症リスクが増加すると考えられています。
主な治療法としてはステロイド製剤の外用、および抗真菌薬の服用などが挙げられます。
皮脂欠乏性湿疹
皮脂欠乏性湿疹は、肌の内部にある保湿成分が失われ、乾燥や湿疹を引き起こす病気です。
湿度の高い夏場には症状が落ち着き、乾燥する冬場になると症状が悪化しやすい傾向にあります。
主な症状としては、肌が亀の甲羅のような形でひび割れを起こしたり、かゆみを生じたりする点が挙げられます。
皮脂欠乏性湿疹を発症した際には、ワセリンで保湿を行ったり、ステロイド製剤の外用でかゆみを抑えたりするのが一般的です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う湿疹が肌に生じる病気で、良くなったり悪くなったりを繰り返す点が特徴です。
原因は明かになっていませんが、自分もしくは家族にアトピー素因があると発症リスクが増加すると考えられています。
主なアトピー素因はアレルギー性鼻炎や気管支喘息、IgE抗体を作りやすい体質などです。
治療法としては、ステロイド製剤の外用やプロアクティブ療法などが挙げられます。
アタマジラミ
アタマジラミは寄生虫による感染症の一種です。
感染したからといってフケやかさぶたができるわけではありませんが、卵がフケによく似ており、かさぶたやフケと見間違う可能性があります。
また、アタマジラミに吸血されるとかゆみが生じるため、無意識にひっかいてしまい、かさぶたになる恐れもゼロではありません。
アタマジラミが確認されたら、専用のくしやシャンプーで駆除するのが一般的です。
治療が完了した後は再度寄生されないよう、枕カバーやシーツは毎日交換する必要があります。
生活習慣の見直しで大きいかさぶたやフケを改善する
頭皮の大きいかさぶたやフケは、頭皮環境の悪化によって生じるリスクが増加します。
とくに肌の乾燥はフケやかさぶたができるきっかけとなりやすいため、肌質に合ったヘアケア用品で丁寧に洗髪するのが重要です。
また、食習慣や睡眠習慣の乱れにより自律神経やホルモンバランスが乱れると、ターンオーバーに悪影響を与えフケやかさぶたができるリスクが高くなります。
3大栄養素を中心にバランスの取れた食事を心がけ、6~8時間の睡眠をとるよう意識しましょう。
セルフケアで改善が見られない方は何らかの病気の可能性もあるため、早めに医療機関を受診するのがおすすめです。


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