頭部白癬とは

頭部白癬は真菌感染症の一種で、白癬菌が髪の毛に寄生して発症する病気です。
白癬菌が引き起こす病気の代表例が足に発症する水虫ですが、足以外にも股(股部白癬・いんきんたむし)や頭皮(頭部白癬・しらくも)、身体(体部白癬・ぜにたむし)に発症するケースがあります。
付着している菌が別の人に感染して発症するのが一般的です。温泉やスーパー銭湯のサンダルを使いまわすと、水虫の発症リスクが増加するのもそのためです。
動物にも寄生するため、飼っているペットから感染するケースも珍しくありません。
頭部白癬の症状
頭部白癬を発症すると、主に以下の症状がみられます。
・痛み
・かゆみ
・発疹
・鱗屑
・禿瘡
・水泡
・かさぶた
・フケ
・肌の肥厚
・発赤など
頭部白癬にみられる特有の症状の1つが禿瘡(とくそう)です。禿瘡は菌によって重度の炎症が引き起こされた際に見られる腫瘤です。
禿瘡を発症するとしばしば痂皮(かひ)および膿疱を生じ、瘢痕性脱毛症に至るケースがあります。
顔や首、手足など全身に広がるケースもあり、頭皮以外の部位では以下のような症状がみられます。
部位 | 症状 |
|---|---|
手 | ・かゆみ |
身体 | ・丘疹 |
股部 | ・丘疹 |
頭部白癬の治療
頭部白癬は真菌感染症の一種であるため、発症が疑われる際には以下2つの方法で治療を行うのが一般的です。
・内服薬
・外用薬
ここでは、頭部白癬が発症したときに病院で行う治療について解説します。
内服薬
白癬にはいくつかの種類がありますが、頭部白癬は塗り薬では効果がでにくいため、内服薬を用いて治療を行うのが原則です。
一般的には抗真菌薬であるテルビナフィン、またはイトラコナゾールが処方され、3~6カ月ほど継続して服用します。
足白癬(水虫)などのケースとは異なり、市販のOTC医薬品では対処が難しいため、専門医の診察が欠かせません。
外用薬
白癬が頭部から身体や手足に症状が広がっている際には、外用薬の併用も検討するケースがあります。
足白癬や体部白癬、股部白癬の治療に用いられる外用薬は、イミダゾール系薬剤やモルホリン系薬剤、アリルアミン系薬剤などさまざまです。
外用薬は十分に塗布しないと再発する可能性があるため、継続的に治療を行う必要があります。
頭部白癬に対しては、抗菌効果が期待できる硫化セレンシャンプーが処方されるケースもあります。
頭部白癬を予防する方法

いったん頭部白癬を発症すると、長期にわたり内服薬の服用が求められるため、普段から以下の方法で感染を避けるよう心がける必要があります。
・感染者との接触を避ける
・毎日洗髪して清潔を保つ
・ブラシは他人と共有しない
・生活習慣を整えストレスを溜めない
ここでは、頭部白癬を予防する方法について解説します。
感染者と接触を避ける
白癬の感染を予防するためには感染者との接触を避けるのが有効です。
家族や友人などが糸状菌に感染していると判明している際には、治療が完了するまで接触しないように注意しましょう。
また、皮膚糸状菌感染症はペットから感染するケースもあるため、ペットとのふれあい方をかかりつけの獣医に相談すると良いでしょう。
毎日洗髪して清潔を保つ
頭部白癬を予防するには、頭皮の清潔を保つ必要があります。
白癬菌が付着したからといってすぐに頭部白癬を発症するわけではないため、毎日シャンプーをして菌を洗い流すよう意識しましょう。
頭皮に炎症を起こしているケースでも、しっかりと洗髪するのがポイントです。頭部白癬の予防目的であれば、市販の抗真菌シャンプーを使用する方法もあります。
洗髪後は清潔なタオルで水分をふき取り、家族やパートナーが誤って使用しないよう注意してください。
白癬菌はじめじめとした環境を好むため、洗髪後はドライヤーでしっかり乾かすよう心がけましょう。
ブラシは他人と共有しない
頭皮白癬は皮膚糸状菌感染症のなかでは、非常に感染力が強いとされています。
感染者の頭皮に直接触れるだけでなく、感染者が使用した物から間接的に感染するケースも少なくありません。
そのため、ハンドタオルやバスタオルはもちろん、普段からヘアブラシも家族内で共有しないようにしてください。
生活習慣を整えストレスを溜めない
頭皮白癬の感染リスクを下げるためには、免疫力を高めるのも大切なポイントです。
例えばガンやHIV、糖尿病などが原因で免疫力が低下している方は、皮膚糸状菌感染症の発症リスクが高くなると分かっています。
免疫力を低下させる原因の1つがストレスのため、普段から適度に発散するよう心がけましょう。
また、生活習慣を整えるのも大切です。栄養バランスのとれた食事を摂取して質の良い睡眠を十分にとり、適度に身体を動かすと免疫力の低下を避ける結果が期待できます。
白癬じゃない?よく似た病気
頭部白癬を発症するとかゆみや赤み、禿瘡、瘢痕性脱毛症などの発症リスクが増加しますが、以下の病気でも似た症状が現れるケースがあります。
・円形脱毛症
・脂漏性皮膚炎
ここでは、白癬と似た症状が見られる病気や見分け方について解説します。
円形脱毛症
円形脱毛症は自己免疫疾患の一種で、まとまった範囲の髪の毛がごっそり抜け落ちる点が特徴です。
コイン大の脱毛斑が見られるため円形脱毛症の名前が付けられていますが、重症例では頭部全体の髪の毛が抜け落ちたり、体毛が抜け落ちたりするケースもあります。
円形に脱毛する点が頭部白癬の発症に伴う禿瘡や瘢痕性脱毛症と似ていますが、円形脱毛症の場合はある日突然まとまった量の髪の毛が抜け落ちます。
軽症例では1年以内におよそ8割が回復しますが、しばしば再発を繰り返すため、専門の医療機関で適切な治療を受けるのがおすすめです。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、頭部白癬と同じく真菌感染症の一種です。
頭部白癬の原因菌が皮膚糸状菌であるのに対し、脂漏性皮膚炎の原因菌はマラセチア菌である点が大きな違いです。
脂漏性皮膚炎を発症した際にフケやかゆみなどの症状がある点が、頭部白癬の症状と似ています。
ただ、脂漏性皮膚炎の場合は皮脂の過剰分泌によりマラセチア菌が増殖したことで発症するため、脂性フケが出ているか、皮脂の分泌量は多いか、といった部分で判別できる可能性があるでしょう。
頭部白癬は放置せず病院で治療しましょう
頭部白癬を発症すると頭皮のかゆみや痛み、発赤、水疱、フケ、かさぶた、鱗屑などが生じやすくなります。発症にともない禿瘡を生じると、瘢痕性脱毛症による抜け毛を引き起こすケースもあるため注意が必要です。
頭部白癬を予防するためには感染者との接触を避け、毎日のシャンプーで頭皮を清潔に保ち、生活習慣を見直して免疫力を上げる必要があります。
皮膚糸状菌感染症のなかでも頭部白癬は感染力が非常に強いため、発症が疑われる際には放置せずに病院で治療しましょう。


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