ツボとは?
ツボについて理解するためには、東洋医学における経絡(けいらく)や経穴について簡単に知っておく必要があります。
東洋医学では私たちの体内を生命エネルギーである気が流れていると考えています。気の流れる道が経絡であり、気がスムーズに流れることで私たちの心身の健康は保たれるのです。
ところが何らかの原因により気の流れが滞ると、心身の不調を招きやすくなると考えられています。
経穴は気の流れが滞りやすい箇所であり、地下鉄の駅のように体表部とつながっているため、ツボ押しによって気の流れを改善することが期待できるのです。
ツボ押しに関しては長く民間療法のように捉えられていましたが、2006年には世界保健機関(WHO)によりツボの位置に関する世界基準が定められるに至っています。
【効果別】頭皮の主要なツボ

人体にはおよそ360のツボがあるとされますが、そのうちのおよそ50個が頭部に存在します。頭皮の主要なツボとしては以下の10個があげられており、それぞれにさまざまな健康効果が期待されています。
血行の促進 | 頭痛の改善 | 眼精疲労の回復 | 肩こりの改善 |
|---|---|---|---|
角孫 | 曲差 | 頷厭 | 完骨 |
百会 | 神庭 | 和髎 | 風池 |
正営 | 天柱 |
ここでは、頭皮に存在する主なツボと期待できる効果、および場所について詳しく解説します。
血行の促進
頭部には血行を促進する効果が期待できる以下の3つのツボがあります。
- 角孫
- 百会
- 正営
ツボ押しにより血行が促進されると育毛効果も期待できるため、髪のハリコシを保ちたい方にもおすすめです。
角孫(かくそん)
角孫は耳たぶを後ろから前に倒した際に、耳の一番尖った部分がこめかみの下部あたりに触れる場所にあるツボです。
角孫のツボ押しにより血液の循環が促進されると、肩こりや首こりによって生じる緊張型頭痛の緩和も期待できます。
また、角孫のツボには自律神経のバランスを整える効果も期待されているため、睡眠の質が低下している方や、花粉症などのアレルギー疾患をお持ちの方にもおすすめです。
百会(ひゃくえ)
百会は頭の頂点にあるツボで、両耳を結んだラインと、鼻と後頭部の突起を結んだラインが交わる点にあります。
百会のツボには目の疲れ、めまいなど頭部に見られる症状の緩和が期待されています。また、百会にも自律神経のバランスを整え、全身の血行を促進する効果もあるため、ストレスが多い方や不眠の方にもおすすめです。
正営(しょうえい)
正営は先ほど紹介した百会(ひゃくえ)から耳の頂点に向かって3分の1下がった両サイドにあるツボです。
正営には血行促進により目の疲れを改善するだけでなく、老廃物の排出をサポートして新陳代謝を促進する効果も期待されています。
頭痛の改善
頭皮には頭痛の改善効果が期待できる以下の2つのツボがあります。
- 曲差
- 神庭
疲れからくる頭痛に悩まされるときは、ツボ押しをして改善を図ってみてください。
曲差(きょくさ)
曲差は左右の目頭からまっすぐ上にあがり、生え際にぶつかった両サイドにあるツボです。
頭痛だけでなくめまいや眼精疲労、鼻づまりにも効果的なツボとされています。その他にも、抜け毛を予防する効果や記憶力を向上させる効果なども期待されています。
神庭(しんてい)
神庭は眉間の中央をまっすぐ上にあがった、生え際のおよそ1㎝上にあるツボです。曲差とセットで紹介されることの多いツボでもあります。
神庭には頭痛を改善するだけでなく、イライラや不安、集中力の低下、気分の落ち込みなど、自律神経系の不調を緩和する効果も期待されています。
眼精疲労の回復
頭部にある眼精疲労回復のツボとしては、以下の2つがよく知られています。
- 頷厭
- 和髎
目の疲れだけでなく頭痛にも効果的なツボのため、先に紹介した頭痛に効果的なツボとセットで実践してみてください。
頷厭(がんえん)
頷厭は左右のこめかみから真っすぐ後ろに下がり、生え際から1㎝ほどの場所にあるツボです。
筋肉のこわばりをともなう目の疲れや片頭痛の改善が期待できるだけでなく、歯痛や耳鳴りにも効果的とされています。子どもがひきつけを起こした際に用いられるツボでもあります。
和髎(わりょう)
和髎は両方の耳たぶから真っすぐ上にあがり、髪の生え際に当たる場所にあるツボです。軽く指先で触れると拍動を感じられます。
和髎には目の疲れを改善するだけでなく、耳鳴りや頭痛、歯の痛みにも効果的なツボとされています。頭部に不調があるときに押してみてください。
肩こりの改善
頭部の肩こりに効果的なツボとしては、以下の3つがよく知られています。
- 完骨
- 風池
- 天柱
完骨(かんこつ)
完骨は左右の乳様突起(にゅうようとっき)と呼ばれる、出っ張った骨のすぐ下にあるツボです。
めまいやむくみなどの症状を和らげるとともに、肩こりを改善します。他にも、自律神経のバランスを整える効果も期待されています。
風池(ふうち)
風池は首の後ろにある2つの太い筋肉をまっすぐ上に辿り、生え際にぶつかった両サイドにあるツボです。
風池は肩こり改善のツボとしてよく知られているだけでなく、目や鼻、耳に関する症状にも効果的とされています。眼精疲労の改善も期待できる、先に紹介した頷厭や和髎とセットでツボ押しするのもおすすめです。
天柱(てんちゅう)
天柱は首の骨の両側をまっすぐ上に辿り、生え際にぶつかった両サイドにあるツボです。風池と並んで肩こり改善のツボとしてよく知られており、しばしば両者がセットで紹介されます。
肩こりだけでなく緊張型頭痛の改善や、ストレスにともなう自律神経のバランスを整える効果も期待されています。肩こりに伴う頭痛があるときは曲差や神庭と一緒に天柱もツボ押ししておきましょう。
頭皮のツボ押しのコツ

頭皮のツボ押しは誰でも簡単に取り組める点がメリットですが、やみくもに圧迫するのは良くありません。
下記のポイントを意識しながら、丁寧にツボ押しをしましょう。
- 指の腹で押す
- 3~5秒しっかり指圧する
- 毎日継続してツボ押しする
ここでは、頭皮のツボ押しを行う際の3つのコツを紹介します。
指の腹で押す
頭皮のツボ押しをする際には、指の腹で押すことがポイントです。指の先や爪でツボ押しをすると、刺激が強すぎるだけでなく頭皮を傷つけてしまう可能性があります。
ツボ押しに関して痛い方が効くということはありません。あくまでも気持ちよく感じる範囲でツボ押しするよう心がけましょう。
3~5秒しっかり指圧する
ツボ押しをする際には、3~5秒しっかり指圧しましょう。1ヶ所につき3~5秒かけてじっくり圧を加え、ゆっくりと離す動作を数回繰り返します。
3~5秒かけて血管を軽く圧迫し、離した際に血液が流れるイメージで行ってください。
毎日継続してツボ押しする
ツボ押しは1回きりでは効果が出ません。なか即効性が期待できるものもありますが、基本的には毎日継続して行うのがおすすめです。
毎日の入浴後など、決まった時間にツボ押しすると習慣づけられます。
頭皮のツボを押し、身体を整えましょう
人体にはおよそ360のツボがあるとされますが、そのうちのおよそ50個が頭部に存在します。
頭痛、眼精疲労、肩こりなど、さまざまな不調の改善が期待できますので、慢性的に気になる部分あるときはツボ押しを試してみてください。
ツボ押しをするときは力任せにするのではなく、指の腹で気持ちよく感じる程度の強さで押すのも大切です。毎日継続してツボ押しを行い、心身の不調を改善しましょう。


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