白髪の原因となる体内メカニズム

髪の毛には、毛根で髪の毛が作られる過程で、毛母細胞がメラニン色素を取り込むことにより色がつきます。メラニン色素は色素細胞によって作られ、髪の毛の色を決める色素です。
何らかの理由で色素細胞と色素細胞を生み出す色素幹細胞が正常に機能しなくなると、メラニン色素が作られなくなります。すると、メラニンが毛母細胞に受け渡されなくなるため、髪の毛に色がつかなくなり、白髪になる仕組みです。つまり、白髪になるメカニズムには、色素細胞と色素幹細胞が深く関係しています。しかし、白髪のメカニズムは、まだまだ医学的に未解明な部分も多いとされています。
白髪が生える主な原因
白髪が生える原因はひとつではありません。体質的な要因から生活習慣に関することまで、考えられる主な原因を紹介します。
- 加齢
- 遺伝
- ストレス
- 食生活の偏り
- 適切でない洗髪
- 睡眠不足
- 紫外線
- 姿勢の悪さ
- 喫煙習慣
- 貧血
- 甲状腺や腎臓に関する病気
加齢
白髪が増える原因として、メラノサイトと呼ばれる色素細胞や、色素幹細胞の働きが加齢により衰えることが挙げられます。メラノサイトの中にあるMITF遺伝子が加齢にともない減少し、メラニンを作る指令が出せなくなることで白髪が増えるメカニズムです。
白髪が生え始める平均年齢は35歳前後であり、髪の毛の半分が白髪になるのは55歳ごろといわれています。基本的には、年齢を重ねるにつれて白髪が増えていく流れです。しかし、白髪の発生は個人差も大きく、一生白髪になりにくい方もいるとされています。
遺伝
両親の家系に白髪の方が多い子どもは、白髪になりやすい傾向があるといわれています。これまで白髪と遺伝の関係は明確に証明されていませんでしたが、2016年の研究発表で、IRF4遺伝子が白髪の生成に関与することが発表されました。IRF4遺伝子はメラニンに作用して髪の毛を白くする働きをもっており、メラニンの生成や蓄積にも関係していることがわかっています。
2025年4月現在では、まだ具体的な白髪の遺伝パターンの解明には至っていません。しかし、白髪に遺伝が関与していることは少しずつ解明されてきています。
ストレス
ストレスもまた、白髪を引き起こすとされる一因です。2020年の米国ハーバード大学の研究で、動物実験の結果ではあるものの、強いストレスを感じると白髪が発生することが科学的に証明されました。
研究では、強いストレスにより交感神経が優位になると、神経伝達物質であるノルアドレナリンが放出され、色素幹細胞を過剰に活性化させてしまうことがわかりました。活性化しすぎた色素幹細胞は急速に使い果たされ、必要な時にメラノサイトを作れなくなります。その結果、メラノサイトが供給できなくなるため、白髪に繋がる仕組みです。
食生活の偏り
食生活が偏ると髪の毛の健康を維持するために必要な栄養が不足し、白髪の原因に繋がります。積極的に摂取したい栄養素は下記のとおりです。
栄養素 | 役割 | 食品例 |
|---|---|---|
たんぱく質 | 身体の細胞や組織を構成する | 肉、魚、大豆食品 |
鉄分 | 貧血を予防し、頭皮に酸素や栄養を届け、メラノサイトを正常に機能させる | レバー、赤身肉、ほうれん草 |
亜鉛 | 髪の毛の主成分であるケラチンの合成に関与する | 豚肉、カキ、海藻類 |
ビタミンB12 | メラニンの生成を促進する | レバー、魚介類、海藻類 |
白髪を防ぐために、日頃からバランスの良い食生活を心がけてください。
適切でない洗髪
頭皮に負担をかけるような適切でない洗髪も、白髪の原因に繋がります。頭皮環境が悪いと白髪が生えるリスクが高まります。例えば洗髪時につい行ってしまう次のような行為は、頭皮の炎症に繋がり、髪の毛の健康を妨げるため避けましょう。
・シャンプーの原液を頭皮に塗る
・ごしごし強く洗う
・すすぎ残しのシャンプーの成分が頭皮に残る
頭皮の負担を減らすには、お湯の温度にも注意しましょう。お湯が熱すぎると頭皮の乾燥に繋がるため、ぬるま湯を使用してください。以下の記事で、わかりやすく洗髪方法をわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。
睡眠不足
睡眠不足も、白髪の原因と考えられているひとつです。睡眠不足だと髪の毛の健康維持に欠かせない成長ホルモンが正常に分泌されなくなり、白髪が増加しやすくなります。
成長ホルモンは、入眠から約3時間後に訪れる深い眠りの間に最も分泌されます。そのため、眠り始めに深い睡眠を確保することが大切です 。入眠の妨げとならないよう、就寝前はスマホの使用を控えるなどして、リラックスして過ごしてください。
なお、成長ホルモンの分泌量は加齢にともない少なくなるため、年齢が高い方ほど十分な睡眠を心がけましょう。
紫外線
紫外線は頭皮だけでなく、髪の毛にもダメージを与えます。紫外線を浴びることで皮脂や汗が酸化し、活性酸素が発生します。すると、酸化によって生み出された活性酸素が毛母細胞や色素幹細胞を傷つけてメラニン色素が生成されなくなり、結果として白髪が引き起こされる仕組みです。
頭は太陽に近く、紫外線の影響を受けやすい部位であるため、外出する際は、帽子や日傘、頭皮や髪の毛用の日焼け止めなどで紫外線対策を行いましょう。
姿勢の悪さ
姿勢の悪さも、白髪に影響を与えると考えられている要因です。姿勢が悪いと血流が滞りやすくなり、頭皮への血流も低下します。血流が悪くなると、髪の毛に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、白髪の原因となることがあります。
特にスマホやパソコンを長時間眺める時の姿勢は、首や肩が凝り頭皮への血流が悪くなるため、注意が必要です。他にも、乗車中など同じ姿勢を長時間続けている状態も血流障害を引き起こすため、気をつけましょう。
喫煙習慣
喫煙と白髪の因果関係は、まだはっきりと解明されているわけではありません。
しかし、たばこに含まれるニコチンには血管収縮作用があるため、喫煙により血行が悪くなるリスクがあります。喫煙が常習化していると頭皮の血行不良からメラニンが生成されにくくなり、白髪に繋がることが懸念されます。
貧血
貧血もまた、白髪の原因として指摘されているひとつです。貧血になると血液中の酸素運搬能力が低下し、頭皮に十分な酸素が供給されません。その結果、メラノサイトの機能が低下し、メラニンが十分に生成されないため白髪が増えることに繋がります。
貧血で身体が酸素不足に陥ると、優先的に酸素が送られるのは、心臓など生命維持に必要な臓器です。髪の毛のような末端部分は後回しにされます。そのため、少しの貧血でも髪の毛の成長や色の維持に影響が出てしまいかねません。
白髪の予防という視点からも、日頃から貧血を防ぐことが大切です。
甲状腺や腎臓に関する病気
病気により白髪が増えることもあるとされています。なかでも、甲状腺機能の低下や腎臓機能の衰えは、白髪との関係が指摘されている病気です。
甲状腺の機能が低下すると、エネルギー代謝にかかわるホルモンが十分に分泌されません。その結果、新陳代謝が低下し、メラニンの生成が妨げられ、白髪に繋がるとされます。
また、腎臓の働きが弱まることも、血液が浄化されにくくなり、全身の血流に悪影響を及ぼす一因です。その結果、頭皮への血流が不足することでメラノサイトの働きに必要な酸素や栄養が届かず、白髪を引き起こす原因に繋がります。
白髪が増える年代別の原因
白髪が増える原因は、年代によって異なるとされています。考えられる代表的な原因を、年代別に確認していきましょう。
- 10代は遺伝やホルモンバランスから
- 20代は遺伝や生活習慣から
- 30代は加齢や忙しさの影響も
- 40代は加齢やストレスの影響も
10代は遺伝やホルモンバランスから
10代でも白髪に悩む方は少なくありません。若いうちに白髪が生える「若白髪」の主な原因とされているのは遺伝です。メラニン色素を作る細胞の働きが弱かったり、メラニン生成の過程が乱れやすかったりする体質は、遺伝によって決まりやすいとされています。体質が引き継がれた場合、10代でも白髪が生える可能性が考えられるでしょう。
遺伝的な要素に加えて、10代は身体が大きく成長する時期であるため、ホルモンバランスや自律神経が急激に変化することも、髪の毛の状態に影響すると考えられています。
20代は遺伝や生活習慣から
20代の白髪も「若白髪」に該当し、遺伝的な要素が大きいと考えられる症状です。遺伝的な要素に加え、社会人になりたての20代は忙しく、下記のような生活習慣を送る方が多いと考えられます。
- 栄養が偏った食事を続けている
- 仕事で過剰なストレスを感じている
- 慢性的に運動不足や睡眠不足である
- スマホやパソコンを長時間見ている
これらの習慣の積み重ねが、頭皮環境を悪化させて白髪に繋がっている可能性があります。見直せる部分から見直しましょう。
30代は加齢や忙しさの影響も
30代の白髪は、加齢による色素細胞や色素幹細胞の機能低下が原因のひとつと考えられます。一般的には、35歳ごろから白髪が生えるといわれているため、30代の白髪は自然な現象です。
さらに、30代は、仕事や家庭で多忙になりやすい時期です。運動不足や睡眠不足、栄養不足などが重なることで頭皮環境が乱れ、白髪の原因になることもあります。特に、急に白髪が増えた場合は、貧血や甲状腺・腎臓機能の低下など病気の可能性もあるかもしれません。気になる方は病院の受診も検討してください。
40代は加齢やストレスの影響も
加齢にともない40代で白髪が増えることは、自然な老化現象といえます。加齢以外に、ストレスが白髪の原因になることもあるでしょう。40代は仕事や家庭での責任が重くなり、ストレスを感じやすい年代です。ストレスで活性酸素が増加すると、白髪に繋がります。
また、40代は睡眠時間が十分に取れず疲れが抜けなかったり、自律神経やホルモンバランスが乱れたりする年代でもあります。白髪が急に増えたという方は、疲れや過大なストレス、貧血などを疑い、身体のケアを心がけてください。

白髪は、以下のように発生場所によって原因が異なると考えられています。
白髪の発生場所 | 主な原因 | 概要 |
|---|---|---|
前髪 | 血行不良や紫外線 | ・眼精疲労や肩こりによる血行不良で必要な栄養が行き渡らなくなる |
側頭部 | 酸素や栄養不足 | ・鉄やビタミン・ミネラルが不足している |
後頭部 | ストレス | ・ストレスで血行不良を起こし、色素細胞や色素幹細胞の働きが弱まるとされている |
参考にして、対策を考えましょう。
白髪を見つけて気分が沈まないように、白髪を「生えにくくするための予防方法」と「目立たせないための対処法」を紹介します。
・白髪の予防方法
・生えた白髪への対処法
白髪の予防法
白髪の予防に欠かせないのは、生活習慣全般の見直しです。生活習慣ごとに、心がけたいことを表にしました。
生活習慣 | 心がけること |
|---|---|
睡眠 | 十分な睡眠時間を確保する |
栄養 | バランスの良い食事を心がける |
運動 | ウォーキングなど有酸素運動を取り入れる |
ストレス | 趣味を楽しむなどしてストレスをため込まないようにする |
ヘアケア | 頭皮マッサージで血行を良くしたりリラックスしたりする |
上記を意識して生活習慣を整えることが、髪の毛や頭皮の健康に繋がり、白髪予防につながり、白髪予防につながるでしょう。
生えた白髪への対処法
白髪が気になっても、抜くのは避けましょう。毛根が傷ついて頭皮に炎症を起こし、場合によっては新たな髪の毛が生えてこなくなるリスクもあります。
白髪が目に入ることでストレスを感じる方は、根元からカットしたりヘアカラーで染めたりして、目立たなくするのが効果的です。最近では、白髪染めだけでなく、白髪ケアができるシャンプーなどのアイテムも充実しています。自分に合った方法を取り入れて、白髪と自然に付き合っていけると良いでしょう。
白髪の原因は、加齢や遺伝のほか、ストレス、栄養不足、睡眠の乱れなど、さまざまな要素が関係していると考えられています。さらに、年代によっても原因は異なります。若い世代では遺伝の影響が、年齢を重ねると加齢やストレス、生活習慣の影響が避けられません。白髪が生えやすい場所によっても、原因が異なるといわれています。
だからこそ、まずは白髪の原因を見極め、自分の年齢や生活習慣に合ったケアを行うことが大切です。取り組めるところから少しずつ対策を始めてみましょう。白髪ケアができるヘアケア剤を取り入れるのもおすすめです。
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白髪の主な発生場所と関連する原因

白髪は、以下のように発生場所によって原因が異なると考えられています。
白髪の発生場所 | 主な原因 | 概要 |
|---|---|---|
前髪 | 血行不良や紫外線 | ・眼精疲労や肩こりによる血行不良で必要な栄養が行き渡らなくなる |
側頭部 | 酸素や栄養不足 | ・鉄やビタミン・ミネラルが不足している |
後頭部 | ストレス | ・ストレスで血行不良を起こし、色素細胞や色素幹細胞の働きが弱まるとされている |
参考にして、対策を考えましょう。
白髪の原因を踏まえたケア方法
白髪を見つけて気分が沈まないように、白髪を「生えにくくするための予防方法」と「目立たせないための対処法」を紹介します。
・白髪の予防方法
・生えた白髪への対処法
白髪の予防法
白髪の予防に欠かせないのは、生活習慣全般の見直しです。生活習慣ごとに、心がけたいことを表にしました。
生活習慣 | 心がけること |
|---|---|
睡眠 | 十分な睡眠時間を確保する |
栄養 | バランスの良い食事を心がける |
運動 | ウォーキングなど有酸素運動を取り入れる |
ストレス | 趣味を楽しむなどしてストレスをため込まないようにする |
ヘアケア | 頭皮マッサージで血行を良くしたりリラックスしたりする |
上記を意識して生活習慣を整えることが、髪の毛や頭皮の健康に繋がり、白髪予防につながり、白髪予防につながるでしょう。
生えた白髪への対処法
白髪が気になっても、抜くのは避けましょう。毛根が傷ついて頭皮に炎症を起こし、場合によっては新たな髪の毛が生えてこなくなるリスクもあります。
白髪が目に入ることでストレスを感じる方は、根元からカットしたりヘアカラーで染めたりして、目立たなくするのが効果的です。最近では、白髪染めだけでなく、白髪ケアができるシャンプーなどのアイテムも充実しています。自分に合った方法を取り入れて、白髪と自然に付き合っていけると良いでしょう。
白髪の原因を知り健やかな髪の毛を保とう
白髪の原因は、加齢や遺伝のほか、ストレス、栄養不足、睡眠の乱れなど、さまざまな要素が関係していると考えられています。さらに、年代によっても原因は異なります。若い世代では遺伝の影響が、年齢を重ねると加齢やストレス、生活習慣の影響が避けられません。白髪が生えやすい場所によっても、原因が異なるといわれています。
だからこそ、まずは白髪の原因を見極め、自分の年齢や生活習慣に合ったケアを行うことが大切です。取り組めるところから少しずつ対策を始めてみましょう。白髪ケアができるヘアケア剤を取り入れるのもおすすめです。






