汗が原因で抜け毛が増える理由

汗が原因で抜け毛が増える理由として、頭皮環境の悪化が挙げられます。
頭皮にかいた汗を放置すると、汗に含まれるタンパク質やアミノ酸、脂質を分解する雑菌が繁殖して炎症を起こすなど、頭皮環境を悪化させるリスクが増加します。
頭皮環境が悪化すると髪の毛の健全な成長が妨げられ、結果として抜け毛が増加するのです。

注意!頭皮の汗で抜け毛以外のトラブルも

頭皮の汗を放置すると、抜け毛以外にも以下3つのトラブルを引き起こす可能性があります。

・臭い
・湿疹
・かゆみ

ここでは、頭皮の汗で起こり得る抜け毛以外のトラブルについて解説します。

臭い

かいたばかりの汗には臭いがありませんが、汗に含まれるタンパク質やアミノ酸、脂質などが肌の常在菌によって分解されると、独特の臭気を放つようになります。
中年期以降になるとパルミトオレイン酸と呼ばれる脂肪酸の分泌量が増加し、過酸化脂質と結合・酸化してノネナールと呼ばれる物質が発生します。
ノネナールが汗に含まれるアンモニアと結びついて発生するのが、いわゆる加齢臭です。加齢臭が気になる方は、頭皮に大量の汗をかいていないか確認してみましょう。

また、汗が気になるからとタオルなどでゴシゴシ擦りすぎると、肌のバリア機能が失われ、皮脂の分泌量が増加する傾向にあります。
皮脂も分泌された時点では無臭ですが、常在菌により皮脂に含まれるタンパク質やアミノ酸などが分解されると、揮発性成分が発生して独特の臭いを放つようになります。

湿疹

頭皮の汗を放置すると常在菌が大量に繁殖し、炎症をともなう湿疹を発症する可能性があります。湿疹が悪化すると無意識にかきむしるなどして、かさぶたやフケにつながる恐れがあります。
頭皮に見られる湿疹は慢性化する可能性もあるため、なるべく早めに対処するのがおすすめです。

かゆみ

汗には塩分だけでなくアンモニアなどの成分も含まれているため、肌が刺激されてかゆみを引き起こす可能性があります。
たとえ汗が乾いて水分が蒸発しても、塩分やアンモニアは肌に残っています。
なお、頭皮のかゆみは季節を問わず起こり得ますが、肌のバリア機能が低下していると特にあらわれやすいため注意が必要です。

夏場に汗をかいたときの対処方法

気温が高くなる夏には汗を大量にかきやすいため、トラブルを防ぐためにも以下2つの方法で対処するのがおすすめです。

・こまめに拭き取る
・体温を下げる

ここでは、夏場に汗をかいた際の対処法について解説します。

こまめに拭きとる

夏場に大量の汗をかいた際には、タオルやハンカチなどでこまめに拭き取りましょう。
こまめに拭き取ると雑菌の繁殖を抑制し、頭皮トラブルを回避する結果が期待できます。

ただし、汗を拭きとる際にタオルやハンカチでゴシゴシ擦るのはNGです。
ゴシゴシ擦ると肌のバリア機能が失われ、かえって頭皮トラブルを引き起こしやすくなります。
汗を拭きとる際には、タオルやハンカチに水分を吸着させるイメージで、優しく押し当てるよう心がけましょう。

体温を下げる

夏場に大量に汗をかく理由は、体外に水分を排出して体温を下げるためです。
逆に考えれば、体温が上昇しなければ汗をかく必要はなくなります
体温を下げる方法としては以下が挙げられます。

・エアコンを利用する
・通気性の良い衣服を選ぶ
・首筋や鼠径部をアイスパックなどで冷やす
・手のひらを10℃~15℃の水で冷やす

ただし、体を冷やしすぎると血行不良による頭皮環境の悪化を招く可能性もあるため、ほどほどにとどめてください。

頭皮の汗を止めたい!対策方法は?

頭皮に大量の汗をかかないようにするには、以下の方法で対策してみましょう。

・生活習慣を整える
・制汗剤を利用する
・病院で治療する

ここでは、頭皮の汗を止める対策方法について解説します。

生活習慣を整える

そのそも、汗は以下のメカニズムで分泌されます。

1. 汗をかくように脳の視床下部から交感神経へと指令が下される
2. 交感神経からアセチルコリンが分泌される
3. アセチルコリンが汗腺の受容体に結合して発汗が起こる

このように、汗は自律神経のうち交感神経が優位に傾くと出やすくなります。
自律神経失調症の方が夜間に寝汗をかくのも、就寝中に交感神経が優位に傾いてしまうためです。

そのため、生活習慣を整えて自律神経のバランスを正常に保つと、余計な発汗を抑えられる可能性があります。
自律神経を正常に保つためには早寝早起きを心がけ、日中に適度に身体を動かし、ストレスをため込まないようにしましょう。

制汗剤を使用する

制汗剤は汗を抑えるためのアイテムです。デオドラントとも呼ばれており、収れん作用により汗の出口を収縮させ、発汗量を抑制する作用があります。
外出の前などに制汗剤を塗布しておけば、大量の汗を止められる可能性があります。
ただし、制汗剤はあくまでも一時的な対策方法であり、常に汗を止められるわけではありません。

病院で治療をする

セルフケアでまったく汗の量が減らない方は、専門の病院で治療を受けるのがおすすめです。病院では一人ひとりの汗の原因にあった治療が受けられます。
例えば後述する頭部多汗症の発症が疑われる方に関しては、ボトックス注射などが効果的です。

頭皮の汗が止まらないときは病気の可能性も

頭皮から異常な量の汗をかく方は、以下のような病気を発症している可能性が疑われます。

・頭部多汗症
・更年期障害
・自律神経失調症

ここでは、頭皮の汗が止まらないときに疑われる病気について解説します。

頭部多汗症

頭部多汗症とは、頭や顔に異常な量の発汗をする病気です。
通常の発汗とは異なるのが、暑くもないのに頭皮から大量の汗をかく点です。
頭部多汗症は何らかの病気や医薬品が原因で発症するケースもあれば、原因不明のケースもあります。

更年期障害

更年期障害は中高年以降に見られる多種多様な症状の総称で、女性だけでなく男性であっても発症する可能性があります。
更年期障害の症状としてよく知られているのがホットフラッシュで、上半身からの発汗やのぼせ、ほてりを生じる点が特徴です。
更年期障害の原因としてはホルモンバランスの乱れが挙げられますので、ホルモンバランスを整えるためにも規則正しい生活を送ることが治療に欠かせません。

自律神経失調症

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスの乱れによって生じる病態の総称です。
頭痛や耳鳴り、動悸、胃の不快感、手のしびれ、全身倦怠感、不眠、イライラなどさまざまな不定愁訴が見られる点が特徴です。
自律神経失調症の原因としてはストレスや神経質な性格、虚弱体質などが挙げられます。

汗以外の抜け毛の原因

抜け毛は汗だけでなく、以下のようなさまざまな原因によって起こります。

・生活習慣の乱れ
・強いストレス
・紫外線など外部刺激
・間違ったヘアケア
・遺伝

汗をかかなくても抜け毛が多いときは、上記のような原因で何らかの脱毛症を発症している可能性も疑われます。
そのため、抜け毛が多い原因を自分の判断で汗と決めつけず、専門の医療機関で原因を探求するのが大切です。

抜け毛の原因について詳しくはこちら

頭皮の汗対策をして抜け毛を予防しましょう

頭皮の汗を放置すると細菌が繁殖する温床となり、頭皮環境の悪化にともなう抜け毛のリスクが増加します。
汗をかいたらこまめに拭き取るなどして、雑菌の繁殖を防ぐよう心がけましょう。エアコンを利用したり、手のひらを冷やしたりして、体温を下げる方法もあります。
頭皮に汗をかくのは当たり前の生理現象の一種ですが、あまりにも多量の発汗が見られる方は何らかの病気を発症している可能性も疑われるため、専門の医療機関を受診するのがおすすめです。