頭皮の厚みは健康な人は約8mm、薄毛の人は約6mm

頭皮をはじめとして人間の肌は表皮・真皮・皮下組織の3つに分かれており、あわせると約4mmの厚さがあります。はじめに表皮と真皮、皮下組織それぞれの厚みと特徴について解説します。

表皮

表皮は頭皮のもっとも外側にある薄い膜です。
わずかな厚みしかない表皮ですが、水分の蒸発を防いだり、外部の侵入者から肌を守るためのバリアの役目を果たしたりと、重要な働きを持ちます。

表皮は外側から「角層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層構造です。
表皮のもっとも深い箇所にある基底層で作られた細胞が分化を繰り返して表面に押し上げられると、やがて数層から十数層の角層を形成します。表皮のもっとも外側に到達した角質細胞はやがて垢やフケとして排出されます。
この一連の肌の生まれ変わりが、いわゆる肌のターンオーバーです。

真皮

真皮は表皮の内側にある部分です。
上から「乳頭層」「乳頭下層」「網状層」の3層構造となっており、付属器として血管や神経、皮脂腺、汗腺などが存在します。
真皮では線維芽細胞により「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」など、肌のハリや弾力を保つための成分が作り出されています。
年齢とともに肌のハリや弾力が失われるのは、真皮内部でのコラーゲンやエラスチンの生成量が減少するためです。

髪の毛の元となる毛球部も真皮内にあります。毛球部には毛乳頭や毛母細胞、外毛根鞘、メラノサイトなどが存在しており、毛母細胞が活発に分裂を繰り返して髪の毛を成長させます。

皮下組織

皮下組織は肌の三層構造のもっとも下層にあります。
主に皮下脂肪で構成される皮下組織は、外部からの衝撃を吸収するクッションとして働くほか、表皮や真皮を支えるのが役割です。
また、皮下組織には熱を伝えにくい性質があり、体内で産生される熱と体外へ放出される熱のバランスを保ち、体温を調節します。

頭皮の厚みがないと薄毛につながる可能性がある

近年の研究によると、頭皮の厚さと毛量には相関関係があり、毛量が多い人は頭皮が厚く、毛量が少ない人は頭皮が薄い傾向にあると判明しました。
また、1972年に発表された「Journal of Investigative Dermatology」第58巻に掲載された論文において、男性型脱毛症(AGA)を発症している人の頭皮は薄いとの報告も行われています。

そのため、薄毛予防・対策をしたいのであれば、頭皮の厚みにも注目する必要があると言えるでしょう。
頭皮が薄くなる主な原因としては以下が挙げられます。

・血行不良
・皮下脂肪の減少
・老化

血行不良

血行不良も頭皮が薄くなる原因です。
頭皮へ送られる血液量が減少すると、細胞分裂に必要な栄養や酸素が不足します。

表皮を支える真皮の内部では、肌のハリや弾力を保つためのコラーゲンやエラスチンなどが線維芽細胞によって作り出されています。
しかし、血行不良により線維芽細胞の分裂に必要な栄養が不足すると、コラーゲンやエラスチンの生成が阻害され、結果として頭皮の厚みが失われるのです。

皮下脂肪の減少

皮下脂肪が減少すると、頭皮が薄くなります。
皮下組織には脂肪幹細胞が存在しており、皮下脂肪を生み出して頭皮全体の厚みを保っています。頭皮全体の厚みが保たれると毛包が深く・大きく成長できるため、丈夫な髪の毛が作られやすくなるのです。

また、脂肪細胞にはさまざまな分泌因子を放出する役目もあります。
例えば、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの一種「レプチン」には、正常なヘアサイクルを保つ重要な役目があります。

そのため、過度なダイエットなどが原因で皮下脂肪が減少すると、頭皮が薄くなり毛包の成長が阻害されるうえ、ヘアサイクルの乱れにより抜け毛が生じやすくなるのです。

老化

顔などの他の部位と同様に頭皮も年齢を重ねると老化していきます。
老化すると頭皮が薄く硬くなるため、手で押して動かそうとしても、若い頃と比べると あまり動きません。

老化により頭皮が薄く硬くなると、毛細血管が圧迫され、血流の悪化が起こる恐れがあります。
頭皮に送られる血液の量が減少すると、髪の毛の成長に必要な栄養 が足りなくなり薄毛のリスクが高まります。

頭皮の厚みを保つ方法

頭皮の厚みは毛包が十分に成長するためのスペースを確保し、正常なヘアサイクルを維持するために欠かせません。
そのため、普段から以下の方法でふかふかと弾力(厚み)のある頭皮を保つ対策をする必要があります。

・頭皮マッサージをする
・頭皮ケアアイテムを使用する

ここでは、頭皮の厚みを保つ方法について解説します。

頭皮マッサージをする

頭皮のハリや弾力を保つためのコラーゲンやエラスチンは、線維芽細胞の分裂によって生成されます。
線維芽細胞に十分な栄養を送り届けるためには、血行不良の改善が必要です。
以下の頭皮マッサージを毎日行うと、頭皮が柔らかくなり血行が促進されやすくなります。

1.軽く全体をほぐす
2.後頭部から頭頂部へ
3.側頭部から頭頂部へ
4.こめかみ・生え際から頭頂部へ
5.頭頂部を優しく指圧
6.ハンドプレスで最後の仕上げ

頭皮マッサージの詳しいやり方はこちら

頭皮ケアアイテムを使用する

頭皮の厚みを保つためには、以下のようなケアアイテムの使用も検討しましょう。

  • ブラシ
  • 頭皮用美容機器
  • 育毛剤

シャンプーの際にブラシや頭皮用美容機器を使用すると、刺激により血行促進され、頭皮に栄養が行き届きやすくなるでしょう。

育毛剤は、今生えている髪をより太く長く成長させ、抜け毛予防効果も期待できる医薬部外品です。
他にかゆみ・フケ予防や血行促進の効果も期待できるため、育毛剤を使用しての頭皮マッサージは相乗効果で、よりふかふかな厚みのある頭皮を目指せるでしょう。

頭皮の厚みを保ち薄毛を予防しましょう

頭皮の厚みは健康な人は約8mm、薄毛の人は約6mmとされており、真皮におけるコラーゲンやエラスチンの分泌、および表皮内部の天然保湿因子により良好な頭皮環境が保たれています。頭皮の厚みが失われると薄毛につながる可能性があります。頭皮の厚みが失われる原因は、血行不良や皮下脂肪の減少、老化などさまざまです。
はつらつとした髪を育てる理想の頭皮状態は、以下の3点がそろっていることです。
・毛穴詰まりのないクリアな頭皮
・ふかふかでしなやかな厚みのある頭皮
・水分・油分のバランスが整った頭皮
日常的に頭皮ケアを行い健やかな頭皮環境にすることで頭皮の厚みを保ち、薄毛や抜け毛を予防をしましょう。