育毛剤の効果とは

育毛剤とはどのようなものか、薬機法での位置づけや主な成分、期待できる効果などをわかりやすく紹介します。まずは基礎知識を押さえておきましょう。
育毛剤とは
育毛剤とは、抜け毛の防止や育毛を目的とする製品です。ドラッグストアやインターネットで医師の処方箋がなくても気軽に購入できます。
育毛剤のほとんどが医薬部外品です。医薬部外品とは、薬機法第2条第2項で「人体に対する作用が緩和なもの」と定められた、医薬品と化粧品の中間的な位置づけとなる製品であり、頭皮環境をケアするものです。
育毛剤は副作用が少なく、長期的に使いやすい点が特長です。ただし、即効性はなく継続使用が推奨されています。
育毛剤に含まれる成分
医薬部外品の育毛剤には、厚生労働省が認めた有効成分が一定の濃度で含まれています。配合される有効成分によって期待できる効果が異なります。主な成分は以下の表のとおりです。
成分 | 主な効果 |
|---|---|
センブリエキス | 頭皮の血行を促す |
カプサイシン | |
グリチルリチン酸ジカリウム | フケやかゆみ、炎症を抑える |
ピロクトンオラミン | |
コラーゲン | 頭皮のうるおいを保ち、頭皮のコンディションを整える |
ヒアルロン酸 |
求める効果に合った成分が配合されている育毛剤を選び、ケアしましょう。
育毛剤に期待できる効果とできない効果
育毛剤は頭皮環境を整える一方、育毛剤に新しく髪の毛を生やす効果は期待できません。育毛剤は、あくまで髪の毛と頭皮の健康をサポートする目的で作られているため、発毛に有効とされる成分は含まれていないからです。新たに髪の毛を生やしたい方は、育毛剤ではなく、次の章で解説する発毛剤を使うようにしてください。
そもそも薄毛の原因は?
ここでは、髪が生える仕組みと薄毛になる原因を解説します。育毛剤の効果を理解するためにも押さえておきましょう。
髪が生える仕組み

※画像は参考です。
髪の毛は、毛根にある細胞が分裂して新しい組織が作られ、押し上げられるように形成されます。成長後は自然に抜け落ち、再び新しい髪が生えるという周期を繰り返します。これが、「ヘアサイクル(毛周期)」です。
ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3段階に分けられ、成長期(約3~6年)に髪が伸び、退行期(約2~3週間)で成長が止まり、休止期(数ヶ月)に自然に脱毛します。
薄毛になる原因
薄毛になるのは、ヘアサイクルの乱れが主な原因です。正常なヘアサイクルの場合、脱毛した後でも数ヶ月すれば、再び同じ毛穴から髪の毛の成長が始まり、太く長く伸びていきます。しかし、何らかの原因でヘアサイクルが乱れてしまうと、薄毛や抜け毛の症状が出てしまうのです。男性の場合、「AGA(男性型脱毛症)」が原因であることが多いです。
AGAが進行する要因
AGAが進行する最大の要因は、特定の男性ホルモンが髪の成長を阻害する物質に変化してしまうことです。体内のテストステロンが酵素と結びつき、ジヒドロテストステロンへと姿を変えます。この物質が毛髪の司令塔に「成長を止めるように」という信号を送ることで、薄毛が進行してしまうのです。
信号を受けた毛髪は、本来なら数年続くはずの成長期が数ヶ月から1年程度にまで短縮されます。髪の毛が太く長く育つ前に抜けてしまうため、全体的に細くて短い毛ばかりが目立つようになるでしょう。このサイクルが繰り返されるうちに、最終的には目に見える髪が生えてこなくなります。
これらの酵素の活性度や受容体の感度は、親からの遺伝によって決まっていることが多いとされています。しかし、日々の生活習慣による血行不良も進行を早めかねません。たとえば、眼精疲労や睡眠不足は、頭皮の血流を悪化させる可能性を高めます。
薄毛の進行パターン
AGAでは、以下の画像のように、生え際や頭頂部から薄毛・抜け毛が進行していくのが一般的です。

※画像は参考
AGAが原因の薄毛に有効とされる成分は?
AGAによる薄毛に効果があるといわれている成分で、一般的なものは3つあります。
成分 | 主な効果 |
|---|---|
ミノキシジル | 血流を促進し発毛を促す |
フィナステリド | DHTを生成する酵素の働きを阻害 |
デュタステリド | |
ミノキシジルは、血管を拡張させることで毛乳頭へ栄養を届けやすくし、発毛を促すと言われています。外用薬と内服薬の二種類が存在します。
フィナステリドは、AGAの原因となる還元酵素の働きをブロックし、抜け毛の進行を抑制する薬です。
デュタステリドは、2種類の還元酵素に作用する薬です。
育毛剤と発毛剤の違い

育毛剤と発毛剤はしばしば混同されますが、違いを正しく理解したうえで自分に合う方を選びましょう。育毛剤と発毛剤の主な違いは以下のとおりです
育毛剤と発毛剤はしばしば混同されますが、違いを正しく理解したうえで自分に合う方を選びましょう。育毛剤と発毛剤の主な違いは以下のとおりです。
育毛剤 | 発毛剤 | |
|---|---|---|
分類 | 医薬部外品 | 医薬品 |
目的 | 今生えている髪の毛を維持する | 新たな髪の毛を生やし、毛量を増やす |
含有成分 | ・医薬部外品の有効成分「センブリエキス」などが含まれる | 発毛に有効な成分「ミノキシジル」が含まれる |
使用をおすすめする方 | ・抜け毛の量が気になりだした方 | ・薄毛で頭皮が目立ってきた方 |
自分の頭皮の状態に合わせて、適した方を使用してください。
育毛剤と発毛剤の違いは、「育毛剤と発毛剤の違いを解説!目的ごとの選び方や副作用もわかりやすく紹介」記事で詳しく解説しています。
育毛剤の効果が現れるまでの期間

育毛剤の効果が現れるまでの期間は、およそ3~6ヶ月とされています。使用を開始して3ヶ月ほど経ってから、髪の毛のハリやコシに変化を感じはじめる方が多いようです。
乱れたヘアサイクルが回復するには、通常3ヶ月ほどかかるとされています。そのため、育毛剤は3か月以上の継続使用が推奨されています。とはいえ、個人差もあるため、6ヶ月は使用を継続することをおすすめします。短期間で効果を判断せず、少なくとも数ヶ月単位で経過観察してください。
効果を得られる育毛剤の選び方
育毛剤を購入するときは、選び方に気をつけましょう。下記のポイントに着目して選ぶことで、効果を期待しやすくなります。
- 配合成分に着目する
- 頭皮タイプに合わせる
- 使用感や継続のしやすさで考える
配合成分に着目する
自分の悩みや希望に合った成分が配合されている育毛剤を選びましょう。下表は、悩みに応じた配合成分と、その効果をまとめた表です。
解決したい悩み | 髪の毛の成長を促したい | 抜け毛を予防したい |
|---|---|---|
主な配合成分 | パンテノール | ビオチン |
アデノシン | オレアノール酸 | |
期待できる効果 | 頭皮の血行を促進し毛根に栄養を届ける | 薄毛や抜け毛の一因とされる「ジヒドロテストテロン」の分泌を抑制する |
製品説明をよく読み、自分が望む成分が配合されている育毛剤を選びましょう。
頭皮タイプに合わせる
自分の頭皮タイプにあった育毛剤を使用するのもおすすめです。頭皮タイプごとにおすすめの育毛剤は、以下の表を参考にしてください。
頭皮のタイプ | おすすめの育毛剤 | 成分例 |
|---|---|---|
脂性肌 | 皮脂の分泌を抑制する成分が配合されているもの | ドクダミエキス |
イソフラボン | ||
乾燥肌 | 保湿成分が配合されているもの | プラセンタエキス |
ホホバオイル |
育毛は、健康な頭皮環境の整備から始まります。まずは自分の頭皮タイプを把握し、頭皮改善につながる育毛剤を選びましょう。以下から簡単に頭皮タイプを確認できます。
使用感や継続のしやすさで考える
育毛剤は3ヵ月以上続けて利用することが推奨されています。そのため、継続使用が負担にならない育毛剤を選びましょう。
育毛剤には、頭皮に直接塗布するローションタイプ、持ち運びしやすく手軽に使いやすいスプレータイプなど、さまざまな種類や形状があります。1日に推奨されている塗布回数や使用感なども、製品によって異なります。それぞれの育毛剤の特徴を知り、自分のライフスタイルや好み、頭皮の状態に合うものを取り入れてください。
なお、無理なく買い続けられる価格かどうか、手軽に入手しやすいかどうかも大切なポイントです。
育毛剤の効果を高める使用方法
育毛剤は、適切に使用することで効果を高められます。効果を引き出すポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
清潔な頭皮に塗布する
汚れた頭皮では、育毛剤の浸透効果が低下してしまいます。使用前にシャンプーで頭皮の汚れや皮脂をしっかり落とし、清潔な状態で塗布してください。ぬるま湯で頭皮を優しくマッサージするように洗った後にきちんとすすぐことで、汚れや皮脂が落ちやすくなります。
シャンプーの後は、タオルで優しく水分をふき取り、ドライヤーで頭皮を乾かしてから塗布するようにしましょう。ただし、完全に乾かすと頭皮の乾燥を招くため、頭皮がほどよく水分を含んだ状態で塗布するのがよいとされています。
頭皮マッサージを行う
育毛剤を塗布した後に頭皮マッサージを行うことが推奨されています。指の腹を使って頭皮を軽く押しながら、優しくマッサージを行ってください。後頭部の周辺や耳の上など、固くなりやすい部分を重点的にほぐすと効果的です。
マッサージのタイミングは、血行が良くなる入浴後がとくにおすすめです。さらに、マッサージでリラックスすることはストレスケアにもなるため、頭皮環境の改善にも効果的といえるでしょう。
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育毛剤はどこで買う?
育毛剤は、ドラッグストア、薬局、スーパーなどで購入できます。もし目当ての製品がある場合は、取り扱いがあるか事前に電話などで店舗に確認しておくと確実です。
また、インターネットを使ったオンラインストアでも、育毛剤は手に入ります。Amazonや楽天といったショッピングサイトのほか、各メーカーのECサイトでも購入可能です。店舗で知り合いに出くわすことがないので、薄毛に悩んでいることを秘密にしたい方も、気軽に買うことができます。
育毛剤を使用する際の注意点

育毛剤の使用により効果を得るには、いくつかの点に注意が必要です。使用方法が不適切では身体へ悪影響を与えるため、ここで紹介する注意点を必ず守ったうえで使用しましょう。
- 用法・用量を守る
- 副作用が出たら使用を中止する
- 他の育毛剤や発毛剤と併用しない
- 性別に合った育毛剤を使用する
用法・用量を守る
育毛剤を使うときは、製品説明や添付されている文書の指示に従ってください。とくに、塗布の回数やタイミングは製品によって異なるため、十分に理解してから使いましょう。
効果を期待して使用する量や回数を多くすると、副作用などのトラブルにつながり逆効果になることもあるため、注意が必要です。具体的には、頭部に育毛剤の成分が残ることで刺激を感じたり、かゆみや発疹などの症状が現れたりします。あわせて、消費量が多くなるため費用対効果が低下するだけでなく、べたつきや臭いがきつくなり、不快感も強くなります。
副作用が出たら使用を中止する
育毛剤で起こりやすい主な副作用は、塗った部分の赤みやかゆみ、湿疹などです。これらの症状は、配合成分が肌に合わないことによるアレルギー反応として起こります。どの配合成分が肌に合わないかは、使用してみなければわかりません。
副作用が出た場合は使用を中止し、医師の診断を受けるようにしましょう。長い間、頭皮にかゆみや湿疹がある状態が続くことは、髪の毛の成長にも良くありません。育毛剤は比較的重大な副作用は起きにくいとされていますが、個人差も大きいため副作用には注意してください。
他の育毛剤や発毛剤と併用しない
育毛剤と発毛剤は、それぞれの製品ごとに配合成分が設計されています。そのため、単独で使用することで効果が発揮される仕組みです。効果を最大限に発揮させるためにも、他の育毛剤や発毛剤との併用は控えましょう。
他の製品と併用すると、有効成分の吸収が阻害されたり、成分間の相互作用が起きたりする恐れがあります。効果を最大限に発揮させるためにも、他の育毛剤や発毛剤との併用は控えましょう。
また、効果を感じられないからといって育毛剤をコロコロ変えるのも好ましくありません。コロコロ変えていては、どの育毛剤で効果が出たかもわからなくなります。ひとつの育毛剤を6ヶ月程度は使用し、経過を観察することが大切です。
性別に合った育毛剤を使用する
薄毛を引き起こす要因は性別によって異なると考えられており、男性は遺伝、女性は生活習慣や加齢、ホルモンバランスの変化が主な要因といわれています。そのため、育毛剤には性別ごとに異なる有効成分が配合されています。
たとえば、男性用の育毛剤は男性ホルモンを抑制する成分が多く含まれているため、女性には不向きです。他にも、男性用育毛剤には皮脂を抑制する成分、女性用育毛剤には保湿する成分が多いなどの違いもあります。家庭内であっても、性別に合った製品を使用し、異性とは育毛剤を共用しないようにしてください。
育毛剤以外で薄毛に効果的な取り組み
薄毛や抜け毛の悩みには、育毛剤だけでなく、日常生活の中でできる対策もたくさんあります。ここでは、育毛剤の使用に加えて取り入れたい効果的な方法を紹介します。
- バランスの良い食事を心がける
- 適切なヘアケアを行う
- 生活習慣全般を見直す
バランスの良い食事を心がける
薄毛の予防・改善には、バランスの取れた食事が欠かせません。糖質や脂質は頭皮の血流を悪くするため、過剰摂取は控えましょう。とくに積極的に摂取したい栄養素は下記のとおりです。
摂取したい栄養素 | 食品の例 |
|---|---|
たんぱく質 | 肉、魚、大豆 |
亜鉛 | カキ、牛肉、ナッツ類 |
鉄分 | 赤身肉、ひじき、ほうれん草 |
ビタミンB | 納豆、レバー、卵 |
ビタミンE | アボカド、キウイ、アーモンド |
上記の栄養素には、それぞれ頭皮に栄養を届けたり、細胞の代謝を助けたりと、髪の毛の健康を維持する役割があります。ぜひ普段の食生活に取り入れてみてください。
適切なヘアケアを行う
薄毛対策には日頃のヘアケアも重要です。以下の取り組みを日常の習慣に取り入れてください。
ヘアケア | 気をつける点 |
|---|---|
シャンプー | シャンプー前にブラッシングをしてホコリや汚れを取り、ぬるま湯で髪の毛全体を洗う |
頭皮マッサージ | 押す、叩く、揉む方法がある |
頭皮に負担がかからない髪型 | 髪の毛をひっぱるオールバックのような髪型は避ける |
日頃から髪の毛や頭皮を丁寧に扱う生活を心がけましょう。
生活習慣全般を見直す
運動や睡眠、ストレスケアなど生活習慣全般の見直しも、薄毛の予防や改善に欠かせません。
理由 | おすすめの行動 | |
|---|---|---|
運動 | 運動により頭皮の血行が良くなり髪の毛が健康的に育つ | 有酸素運動(ウォーキングや水泳など) |
十分な睡眠 | 睡眠時間が短くなると成長ホルモンの分泌が減り毛髪の形成が阻害される | 22~2時までを含む6時間以上の睡眠 |
ストレスケア | ストレスが溜まると自律神経の乱れから血流が悪化し抜け毛につながる | 自分に合うストレス発散法の実践 |
できることから少しずつ実践していきましょう。
育毛剤で効果が出ないときの対処法

育毛剤を3〜6ヶ月ほど使っても効果を感じられない場合や、抜け毛が悪化していると感じる場合は、発毛効果の高い「発毛剤」への切り替えも検討しましょう。ただし、育毛剤を使い始めて1ヶ月程度で、一時的に髪の毛が抜ける「初期脱毛」が起こることがあります。もし大量に抜ける場合は使用を中止し、医師に相談してください。
発毛剤に切り替える際は、いきなり高濃度の製品を選ばず、低濃度の製品から試すようにしましょう。急に高濃度の製品を使用すると、頭皮に負担がかかり、髪や頭皮のトラブルにつながることがあります。
また、発毛剤の使用中に副作用が出たり、薄毛の進行を感じたりした場合は、すぐに医師の診断を受けて適切に対処してください。
育毛剤を効果的に使い薄毛の悩みを解消しよう
育毛剤は頭皮環境を整えるものです。手軽に購入できるため、抜け毛が気になりはじめた方や将来の薄毛が心配な方におすすめです。成分や使用方法を確認して自分に合う育毛剤を選び、3~6ヶ月の間、継続して使用しましょう。
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