発毛剤を使用するデメリット

ここでは、発毛剤を使うデメリットについて次の要素を解説します。

・初期脱毛が起こる
・必ず発毛するわけではない
・効果が出るまでに時間がかかる
・発毛度合いには個人差がある
・継続的に費用がかかる

まずはデメリットを把握していきましょう。

初期脱毛が起こる

「初期脱毛」とは、発毛剤を使い始めてから間もない時期に、一時的に抜け毛が増える現象です。これは発毛剤の副作用のひとつですが、多くの場合、発毛剤が正常に効いている証拠と考えられています。発毛剤に含まれる有効成分が働き始めると、新しく生えた髪の毛が古い髪の毛を毛根内から押し出すため、抜け毛が増える仕組みです。

初期脱毛は、発毛剤を使い始めて2週間ほどで始まり、1〜2ヶ月程度続いたあと、徐々に治まる傾向にあります。ただし、3ヶ月以上続く場合は放置せず、医師の診断を受けましょう。

必ず発毛するわけではない

発毛剤は、使用した方全員が発毛効果を実感できる製品ではありません。発毛剤は、髪の毛を作り出す「毛母細胞」に働きかけて発毛を促す仕組みですが、その効果は毛母細胞の状態に左右されます。

例えば、薄毛が進行してから長期間経過している方は、毛母細胞の機能が低下している可能性があります。このように、発毛の土台となる毛母細胞の働きが弱っている状態では、発毛剤を使用しても十分な効果は得られません

また、円形脱毛症のように通常の薄毛とは異なる要因がある場合も、発毛剤が効果を発揮する可能性は低いといえます。

効果が出るまでに時間がかかる

発毛剤を使い始めても、すぐに髪の毛が生えるとは限らない点もデメリットのひとつです。多くの場合、効果を実感するまでに4ヶ月程度の使用が必要と考えられています。4ヶ月という期間は、乱れたヘアサイクルを正常に戻し、新しく健康な髪の毛が成長するまでに必要な時間です。即効性を期待し、短期間で発毛剤の使用を中断してしまうと、発毛効果を実感できないまま終わってしまう可能性が高まります

発毛には一定の時間を要する事実を受け入れたうえで、長期的な目線で取り組みましょう。

発毛度合いには個人差がある

発毛剤の効果で発毛する度合いには個人差がある点も、知っておくべきデメリットです。発毛剤の効果の現れ方は、主に次のような要素に影響を受けます。

・薄毛の進行度
・遺伝的要因
・ホルモンバランスとストレス
・頭皮の状態
・体質
・年齢
・生活習慣

一人ひとり頭皮の状態や体質が異なる以上、同じ製品を使っても結果に差が出るのが普通です。そのため、他人の口コミやランキングは鵜呑みにせず、あくまで参考程度に捉えるようにしましょう。

継続的に費用がかかる

発毛剤の使用を検討するうえで、継続的に発生するコストは無視できない要素です。発毛剤は、一度きりの使用で効果が永続するものではありません。発毛した状態を維持し、薄毛の進行を食い止めるためには、一定期間使い続ける必要があります

一般的に、発毛剤の購入には1本あたり3,000円〜1万円程度の費用がかかります。月に1本使用すると仮定した場合、年間で約3.6〜10万円以上の出費です。そのため、発毛剤の利用前には、長期的な費用負担を受け入れられるか、判断する必要があるでしょう。

発毛剤の効果を下げてしまう要因

発毛剤の効果を感じない場合、次の要因が当てはまる可能性があります。

・頭皮環境に異常がある
・途中で使うのをやめてしまう
・用法用量を超えて使用している

発毛剤の効果を下げないために、使い方を把握しましょう。

頭皮環境に異常がある

かゆみやフケ、皮脂の過剰分泌、頭皮の乾燥といった頭皮のトラブルを抱えている状態で発毛剤を使用すると、さらに頭皮環境を悪化させる可能性があります。

中でも、かゆみやフケ、炎症などを伴う次のような頭皮の病気にかかっている場合、発毛剤の効果を得られないばかりか、頭皮環境を悪化させる要因となってしまいます

・脂漏性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎
・接触皮膚炎

頭皮に異常を感じる場合は、発毛剤の使用を始める前に皮膚科を受診し、病気の治療を優先してください。

途中で使うのをやめてしまう

発毛剤の使用を途中でやめてしまうと、薄毛が再び進行するリスクがあります。発毛剤の効果は、継続的な使用によってのみ維持されるからです。

特に、AGAのような進行性の脱毛症である場合、発毛剤の使用をやめると薄毛を引き起こす要因が再び活発化し、発毛剤の働きで得られた効果が失われる可能性が高まります。使用しても効果を実感できない場合は、自己判断でやめるのではなく、医師に相談し判断を仰ぐのが得策です。

用法用量を超えて使用している

早く効果を実感したいからといって、決められた用法用量を超えて発毛剤を使用することは、かえって逆効果です。

量や回数を増やしても、発毛効果が高まるという医学的根拠はありません。むしろ副作用のリスクを高めるだけです。また、育毛剤の過度な使用は、かゆみやかぶれといった皮膚トラブルや、動悸、めまいなどを引き起こす要因になります。安全かつ適切に発毛剤の効果を得るためにも、取扱説明書に書かれた用法用量を守ってください。

発毛剤が要因で起こる副作用

発毛剤は医薬品であるため、次のような副作用が起こるリスクも伴います。

・かゆみや赤みなどの頭皮トラブル
・動悸や息切れ
・めまいや頭痛

人によって起こり得る要因は異なるため、必ずチェックしてください。

かゆみや赤みなどの頭皮トラブル

発毛剤を使用すると、副作用として次のような症状が現れることがあります。

・かゆみ
・赤み
・かぶれ
・発疹
・フケ
・接触皮膚炎(アレルギー)

症状が起こる要因は、発毛剤の有効成分であるミノキシジルや、製品に含まれるアルコールなどが頭皮に与える刺激です。発症頻度はそれほど高くないものの、発毛剤の使用後に我慢できないほどのかゆみが出たり、症状が長引いたりする場合は、速やかに使用を中止して医師に相談しましょう。

動悸や息切れ

発毛剤の有効成分である「ミノキシジル」は、もともと血圧を下げる薬として開発された経緯があります。

ミノキシジルには血管を拡張させる作用があるため、体質によっては動悸や息切れといった症状を引き起こす場合があります。これらは主に内服薬で報告される副作用ですが、外用薬であっても、体質によってはごく稀に影響が出る可能性があるため注意が必要です。特に心臓に持病がある方は、万が一胸の痛みなどの異変を感じた場合、直ちに使用を中止し、病院を受診してください。

めまいや頭痛

ミノキシジルの血管拡張作用は、めまいや頭痛を引き起こす場合もあります。ミノキシジルによって血管が拡張されると血流が変動するため、めまいや頭痛を感じる仕組みです。

動悸や息切れと同じく、主に内服薬で報告される副作用ですが、外用薬の使用で起こる可能性もゼロではありません。そのため、循環器系に持病がある方は、発毛剤の使用可否について、前もって医師に相談するのを忘れないようにしてください

薄毛対策に発毛剤が使われる理由

薄毛対策に発毛剤が使われるのには、次のような理由があります。

・発毛に有効な成分が含まれている
・自然治癒が難しい薄毛がある

発毛剤が薄毛対策に効果的な理由を把握していきましょう。

発毛に有効な成分が含まれている

薄毛対策に発毛剤が用いられる理由のひとつに、発毛効果が医学的に認められた有効成分である「ミノキシジル」が含まれている点が挙げられます。ミノキシジルは一般用医薬品として「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」の効能・効果が国によって承認されている成分です。

したがって、発毛剤は、薄毛の進行を感じている方にとって「発毛を促進する」という具体的な目標を達成するための手段となり得ます

自然治癒が難しい薄毛がある

男性に見られる薄毛の多くは、一度発症すると要因を特定しない限り自然治癒が難しく、放置すればゆっくりと進行していくのが特徴です。

薄毛の進行要因は生活習慣や遺伝のほか、ホルモンの影響で発症するAGA(男性型脱毛症)など多岐にわたります。中でもAGAは、対策を講じない限り進行を止めることはできません。だからこそ、発毛剤に期待される発毛促進効果は、こうした薄毛に対抗する有効な手段となります。薄毛に悩んでいる場合は、積極的に発毛剤の利用を検討しましょう。

発毛剤使用を検討すべきサイン

ここからは、発毛剤の使用を検討すべき体からのサインについて解説します。本記事で取り上げるのは、以下のサインです。

・抜け毛の増加
・髪質の変化
・生え際の後退

心当たりがある方は、発毛剤の利用を検討してみてください。

抜け毛の増加

健康な方でも1日に50〜100本程度の髪の毛は自然に抜けますが、それを明らかに超える量の抜け毛は、薄毛が進行し始めているサインかもしれません。特に、次のような場所や日用品に抜け毛が目立つ場合は注意が必要です。

・入浴後の排水溝
・使用後のくしやブラシ
・朝起きた時の枕元

抜け毛の量が慢性的に多い状態は、薄毛が進行している証拠といえます。頭皮環境を整えるケアから、より積極的な抜け毛対策へのステップアップを考えるタイミングと考えましょう。

髪質の変化

髪の毛全体のボリュームダウンや髪質の変化を実感し始めた場合も、発毛剤の使用を検討すべきサインです。

以前よりも髪の毛が細くなった、ハリやコシが失われたと感じる状態は、薄毛が進行する過程で、髪の毛が太く長く成長する期間が短くなってしまうために起こります。ご自身の髪の毛を観察し、もし短く細い髪の毛が増えているようであれば、積極的なケアを検討すべき段階かもしれません

生え際の後退

以前と比べておでこが広くなった、あるいは生え際が後退したと感じる場合は、AGAが進行している兆候かもしれません。特に、以下のいずれかの進行パターンに当てはまる場合は、AGAの可能性を疑いましょう。

進行パターン

特徴

M字型

両サイドのそりこみ部分から後退していく

U字型

生え際全体が後退していく

O字型

つむじ付近から後退していく

AGAは進行性の脱毛症であり、自然に治ることはありません。そのため、生え際の変化に気づいた段階で、発毛剤による早めの対策を始めるのが得策です

発毛剤の使用前は医師に相談する

デメリットや副作用、効果に関する知識を得たうえで発毛剤の使用を決めたら、一度、医師の診断を受けましょう。皮膚科やAGA専門のクリニックでは、専門的な知見から頭皮の状態や薄毛の進行度を正確に診断してくれます。

診断を受けることで、ご自身の薄毛が発毛剤で対処できる段階なのか、別の対策や治療が必要かといった疑問が解消され、安心して治療に取り組めるようになるでしょう。さらに、持病や体質を踏まえた副作用のリスクについても適切なアドバイスがもらえるため、トラブルが起こった場合も安心です

遠回りせずに薄毛対策するためにも、早い段階で医師に相談してください。

発毛剤のデメリットは適切に使用すれば抑えられる

発毛剤は医学的に効果が認められた有効成分を含んでいます。しかし、効果の度合いには個人差があるほか、発毛の実感を得るには一定の期間も必要です。また、継続的に費用がかかる側面もあるうえ、適切な使い方をしなければ効果が出づらくなるばかりか、頭皮トラブルを招く可能性もあります。

しかし、これらのデメリットは医師のサポートを受けることで、その多くを解消できます。医師のサポートがあれば、頭皮トラブルや動悸、息切れなどの副作用に対しても過度に不安になる必要はありません。医師に相談しながら発毛剤を適切に使用し、できるだけ早く薄毛対策を行っていきましょう。