なぜ寝癖がつくのか

寝癖ができる最も大きな理由は「髪が濡れたまま寝るから」です。
髪は水に濡れた状態では形をいじりやすくなり、乾くとその形を保つ性質があります。これは、少し細かく説明しますと「水素結合」という化学反応が起きているからです。
髪が濡れると髪の内部にある水素の結合がいったん切れ、髪は柔らかくなります。髪が乾くと水素は再び結びついて髪は固くなります。濡れて柔らかい髪は形を変えやすく、乾いて固い髪はその状態を保とうとし、手で動かしたくらいでは変わらずすぐに元の形に戻ります。
さて、髪が濡れたまま寝た場合、髪の毛は水素結合が切れて柔らかく、形を変えやすい状態です。これが時間とともに髪が乾くと水素結合によって髪は固くなります。寝ているときの、枕に押しつけた形で固くなった髪は、起きたときには不自然にはねた「寝癖のついた状態」になる、という流れです。
寝癖がつきやすい人
この原理から、寝癖がつきやすい人のパターンもいくつかわかります。
● 髪を濡らしたまま寝る
● よく寝返りをうつ
● 頭に枕をつけて寝る
● 固い枕を使っている
● 寝汗をよくかく(髪が濡れる)
濡れた髪は薄毛(ハゲ)を招く?
濡れたままの髪は寝癖がつきやすい、とわかりましたが、それ以上に大きな問題が薄毛(ハゲ)のリスクです。入浴後、髪をしっかり乾かさずに眠った場合、頭皮は不衛生になりやすい状態なのです。
人の頭皮には様々な常在菌が住んでいます。多くの菌は頭皮に有益な役割をもっており、それ自体が悪いというものではありません。
ですが、菌が度を超えて増えると問題が起こります。菌は水分が多いと頭皮で大量に増殖し、かゆみや炎症、不快な臭いといった不衛生な状態ゆえの問題を引き起こします。やがて抜け毛が増え、薄毛(ハゲ)へとつながります。
寝癖が薄毛を引き起こす、というわけではありませんが、髪を濡れたままにしていると寝癖と薄毛、両方の原因になることがわかりました。両方を予防するためにも、濡れた髪は乾かす習慣をつける必要があります。
最近寝癖がつかなくなった…という人は要注意!
以前は朝起きると酷い寝癖がついていたのに、最近寝癖がつかなくなったという人は要注意です。
寝癖がつきにくい人の髪の毛の特徴として、下記の3点が挙げられます。
● 髪の毛が柔らかい
● 髪の毛が細い
● 髪の毛にハリやコシがない もともと、髪の毛が柔らかく細い場合には、そういった髪質と言えますが、以前は寝癖がついていた場合には、最近になって髪質が変化してきたと考えられます。
AGA(男性型脱毛症)をはじめ、円形脱毛症、ヘアサイクルの乱れなどで髪の毛にハリやコシがなくなっている可能性もあります。
髪質や抜け毛の量などもチェックして、必要であれば早目に対策をとるようにしましょう。
他の寝癖の原因
ドライヤー使用が不充分
ドライヤーをあまりに手短に済ませていて、髪が全体に生乾き、あるいは乾いていない部分が残っている、というケースはよくあります。髪が長めの人、部分的に厚みのある髪型の人にありがちです。
髪が傷んでいる
傷んだ髪は髪の表面層・キューティクルが傷ついて剥がれており、髪の内部のタンパク質が外に流れ出てスカスカな状態になっています。そのため水を余分に吸いやすく、髪を乾かしても余計な水分が残って乾ききらず、寝癖がつきやすくなります。
寝癖をつきにくくする方法
寝ているときの髪の状態や体勢によって寝癖がつくのですから、ここを改善すれば寝癖の程度を抑えたり、予防したりできるはずです。具体的に検証しましょう。
就寝時の環境を見直す
■ 髪の状態
大前提として、髪をしっかりと乾かしましょう。入浴後はタオルドライで水分を拭き取り、続いてドライヤーで乾かします。髪がわずかにしっとりしているぐらいで止めれば髪や頭皮を乾燥させることなく、適度に髪が乾きます。また、髪の根元は乾ききらずに湿った状態になりがちです。ドライヤーを持たないほうの手で触って確かめながら乾かすと、乾かし忘れはなくなります。
また、ドライヤーで温めた髪は、冷める時に空気中の水分を取り込む性質を持っています。ドライヤーの仕上げに冷風で髪を冷すことで、水分を吸収して水素結合を切ってしまうことを防ぐことができます。ドライヤーの最後は、1分くらい冷風をあてて髪を冷ますとよいでしょう。
■ 寝る前に水分補給
寝汗により、水素結合が切れることで寝癖がつくこともあります。
寝汗は、寝ている間の体温を調節するという大切な役割がありますが、水分不足になっていると、ベトベトとした汗になって出てしまうことも。こうした汗は蒸発しやすく、寝癖の原因にもなります。
寝る前に水分補給をするようにしましょう。
■ 寝る時の姿勢
横向きで寝ると枕にあてた側の髪だけが強く押し付けられて寝癖がつきやすいため、仰向けで就寝するのが理想的です。また、低反発枕を選ぶと頭の形とフィットするため、寝癖がつきにくくなるといわれています。
傷んだ髪のケアとダメージ予防
ダメージを受け傷んだ髪は寝癖がつきやすいものですが、髪のダメージを回復させることはできません。髪は死滅細胞でできており、自己修復機能はもっていません。すでに傷んだ髪はコンディショナーで保護し、髪がさらにダメージを受けて傷まないようにケアすることで、寝癖のつきやすい状態を緩和できます。コンディショナーの成分は髪を保護し、ダメージから髪を守ったり髪にまとまりを持たせたりすることができます。
忙しい朝に!素早く寝癖を直す方法
寝癖ができたときに簡単に、早く直せる方法をご紹介します。
蒸しタオルで髪を濡らす

寝癖は一度濡れた髪が、くせのついた状態で乾いて固まることで起こります。もう一度髪を濡らし、髪を整えて乾かせば直せます。「いつも寝癖には水をつけているが、そう簡単にはおさまらない」という人に試していただきたいのが、蒸しタオルを使う方法です。
■ 手順
1. タオルを水で濡らし、滴が垂れない程度まで絞ったらレンジで1分ほど加熱して蒸しタオルを作る。内側が熱すぎることがあるので一旦広げて適温にする
2. 寝癖がついた部分に蒸しタオルを数分あてる
3. ブラシで軽く整え、寝癖を直す
4. 寝癖がとれたらドライヤーで乾かす 髪は蒸しタオルで温まっているので、乾かす時間はごくわずかで済みます。部位によってはタオルを乗せて直す、全体的な寝癖ならタオルを巻いて直すことで、その間に他の身支度を進められます。
スタイリング剤を使用する
時間のない朝、早く寝癖を直したい時には、寝癖直し用の専用スタイリング剤を使用するとよいでしょう。乾いた髪を濡らすことで、癖を取ることが出来るのは分かっていても、ミストなど霧状のものでは、髪の内部まで浸透させることが難しく短時間で直せないことも。
そんな時にも、専用のスタイリング剤であれば、髪の内部まで素早く浸透してくれるので、手早く寝癖を直すことができるでしょう。
寝癖は髪を乾かして予防、ついた寝癖は蒸しタオルで直す
寝癖は髪が濡れたまま寝て、くせのつくような形で髪が乾いて固まることで起こります。髪をしっかり乾かすこと、枕を適度に柔らかいものにすることで寝癖は予防でき、できてしまった寝癖は蒸しタオルをあててから整えて乾かすことですんなり直ります。
寝癖がついたということは、前夜の髪の乾かし方が足りなかった、あるいは髪が傷んでいるということですから、考えようによっては「髪の状態を示すバロメーター」でもあります。髪が湿った状態では頭皮で菌が繁殖しやすく、不衛生になって薄毛(ハゲ)につながる可能性もあります。寝癖がついた原因を推測して、髪をしっかり乾かすこと、痛んだ髪をケアすることも大切です。


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