白髪が生えるメカニズム

実は、もともとの髪の毛は白色です。毛根で髪の毛が作られる間にメラニン色素が取り込まれることにより、黒く着色されて生えてきます。
メラニン色素は、髪の毛の根元を支える「毛包」にあるメラノサイトによって作られます。ところが、加齢や遺伝など何らかの理由によりメラノサイトや、メラノサイトの大元である「色素幹細胞」の生成が阻害されたり活動能力が低下したりすると、色素を作り出せません。
「色素幹細胞」の生成や活動能力の低下により、メラニン色素で着色されないままの白い髪の毛が伸び白髪となります。
白髪から黒髪に戻ることはある?

白髪は、初期段階であれば黒髪に戻る可能性があります。メラニン色素の生成が完全に止まっていないケースがあるためです。たとえば、毛根部分が黒い白髪は毛根でメラニン色素がまだ作られている証拠といえます。
ただし、メラニン色素が生成されていても髪の毛まで届かない場合もあります。これは、色素の運搬を担う遺伝子「メラノフィリン」の働きが低下していることが一因です。
つまり、メラニン色素が生成されている段階であれば、メラノフィリンの働きをサポートする対策を行うことで白髪が黒髪に戻る可能性があると考えられています。早い段階から白髪対策を行うと、黒髪に戻る効果もより期待できるでしょう。
白髪が生える主な原因
では、どういったことが原因でメラノサイトや色素幹細胞の働きが阻害され、白髪が生えてくるのでしょうか。白髪が生える主な原因には、下記が挙げられます。
・加齢
・遺伝
・食生活の偏り
・適切でないシャンプー方法
・睡眠不足
・ストレス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
加齢
年齢を重ねると、メラニン色素を作る「色素細胞」や色素細胞を作る「色素幹細胞」の働きが衰え、白髪が増えていきます。これは、メラニン色素を作る司令塔のような役割を持つ「MITF遺伝子」が加齢とともに減少するため、メラニン色素を生成しづらくなることが知られています。
個人差はありますが、白髪が目立ち始める年齢の目安は、男女とも35歳前後です。したがって、白髪は自然な老化現象の一種といえるでしょう。
遺伝
白髪になりやすいかどうかは、遺伝的な要素が関係しているとも考えられています。両親や親族に白髪が多い場合には、白髪になりやすい傾向があるようです。
とはいえ、白髪の具体的な遺伝パターンはまだ十分に解明されていません。しかし、白髪に遺伝が関与していること自体は、少しずつ研究で明らかにされてきています。2016年の研究発表では、がんに関連するIRF4遺伝子が白髪に関与していることが明らかにされました。
食生活の偏り
食生活が偏ると、髪の毛に必要な栄養が行き届かなくなり、白髪が生えやすくなるとされています。特に以下に挙げる栄養素が足りなくなると、白髪になりやすくなります。
栄養素名 | 白髪になりやすくなる理由 |
|---|---|
・タンパク質 | 髪の毛の原料となるため |
・亜鉛 | メラニン色素の生成を促すため |
加工食品やインスタント食品の摂取や食事を抜くことが増えると、栄養不足から白髪が増えるため、注意が必要です。忙しい日でも、なるべくバランスの取れた食事を心がけましょう。毎食で栄養バランスを取るのが難しい場合は、サプリメントを取り入れるのもよい方法です。
適切でないシャンプー方法
頭皮の状態が悪いと白髪が生えるリスクが高まるため、適切でないシャンプー方法にも気をつける必要があります。特に毎日行うシャンプーは丁寧に行いましょう。以下のような行為は頭皮や髪の毛に負担をかけるため、避けてください。
- ゴシゴシと強い力で洗髪する
- シャンプーの原液を直接頭皮につける
- シャンプーのすすぎ残しがある
- 熱いお湯(40~42℃以上)ですすぐ
上記を心がけて丁寧にシャンプーを行い頭皮環境を整えることが、白髪対策につながります。
睡眠不足
睡眠不足も白髪の一因とされています。髪の毛の健康維持に欠かせない成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌され、メラニン色素を生成するメラノサイトの働きを支えています。一方、睡眠が不足すると成長ホルモンが十分に分泌されません。加えてメラノサイトの働きも低下することから、白髪が増えてしまいます。
週末の寝だめも体内リズムを乱し、かえって髪の毛に悪影響を与えるため、よくありません。白髪対策には、睡眠時間を確保し、毎朝決まった時間に起きる習慣が効果的です。
ストレス
これまでも、ストレスと白髪の関係は指摘されていましたが、近年はその因果関係が科学的にも明らかになりつつあります。2021年には、アメリカのコロンビア大学の研究チームが、ストレスが白髪の原因になる可能性を、人間を対象とした実験で定量的に示しました。
この研究では、ストレスが細胞のエネルギー源である「ミトコンドリア」の変化を誘発し、髪の色素に変化をもたらすことで白髪を作ると考えられています。
白髪を減らすための対策
白髪を減らすためには、下記のような対策が挙げられます。
・髪の毛に効果的な栄養素を取る
・取りすぎ注意の食べ物を避ける
・丁寧にシャンプーする
・質のよい睡眠を十分に取る
・ストレスケアを行う
・頭皮マッサージをする
・生活習慣全般を見直す
順番に見ていきましょう。
髪の毛に効果的な栄養素を取る
白髪対策には、髪の毛に効果的な栄養素を摂取することが大切です。下記の栄養素が含まれた食材を積極的に取ってください。
栄養素 | 効果 | 食べ物 |
|---|---|---|
タンパク質 | 髪の毛の主成分「ケラチン」の補給 | ・肉 |
ビタミンB12 | メラニン色素の生成促進 | ・牛レバー |
亜鉛 | メラニン色素の生成促進 | ・豚肉 |
チロシン | メラニン色素の産生 | ・果物 |
ヨード | メラノサイトの活性化 | ・海藻類 |
必要に応じてサプリメントも取り入れながら、髪の毛に効果的でかつバランスのよい食生活をめざしましょう。
取りすぎ注意の食べ物を避ける
白髪対策には、以下のような食べ物を避ける努力も必要です。
注意する食べ物 | 例 | 理由 |
|---|---|---|
固形の脂 | ・ラード | 血管が詰まりやすくなり、頭皮や髪の毛に必要な栄養が届かなくなる |
糖質を多く含む食品 | ・麺類 | 頭皮の皮脂が過剰になり、頭皮環境が悪化する |
体を冷やす食べ物 | ・夏野菜 | 頭皮への血流が低下し、色素細胞の働きが低下する |
刺激物 | ・唐辛子 | 頭皮が刺激を受け、髪の毛のトラブルを起こしやすくなる |
頭皮や髪の毛に悪影響を及ぼす食べ物は、なるべく避けましょう。
丁寧にシャンプーする
白髪を減らすには、メラニン色素が働くよう頭皮環境を整える必要があります。そのためには、毎日のシャンプーを丁寧に行うことも欠かせません。
以下の手順でシャンプーを行いましょう。
1.シャンプーする前に毛先のもつれをほどく
2.しっかり頭皮を濡らす
3.お湯だけで湯洗いする
4.シャンプーを手のひらでよく泡立てる
5.指の腹を使い、マッサージするように優しく洗う
6.すすぎ残しがないようしっかりすすぐ
このような毎日の積み重ねが、白髪対策につながります。
十分な長さで質のよい睡眠を取る
白髪を減らすには、十分な長さで質のよい睡眠が必要です。頭皮や髪の毛の健康をサポートする成長ホルモンの分泌は、睡眠中に多くなります。そのため、白髪対策としては、6~8時間程度の睡眠時間を確保するのが理想です。
最も成長ホルモンの分泌が多くなるのは、入眠後3時間といわれています。そこで質のよい睡眠が取れるよう、就寝前はブルーライトが発せられるスマホやパソコンは使用せず、リラックスして過ごすのがよいでしょう。睡眠の量や質にこだわり、白髪の改善に努めてください。
ストレスケアを行う
ストレスケアも白髪対策に欠かせません。
ストレスがたまると自律神経の交感神経が優位になり、心身の緊張状態が続きます。これにより頭皮への血流が悪くなり、白髪のリスクが高まるためです。
特に瞑想やヨガは手軽にリラックスできるストレスケア方法としておすすめです。自分に合った方法で心身がリラックスした状態を作ることで、頭皮の血流が改善され、白髪の減少が期待できます。そのため、日頃から意識的にストレスを発散することが大切です。
頭皮マッサージをする
白髪対策には、頭皮マッサージで血流をよくすることも効果的です。頭皮への血流がよくなることで、髪の毛に栄養が届けられ白髪の改善につながります。効果的な頭皮マッサージの例は、以下を参考にしてください。
- 耳の上から頭頂部に向かって、円を描くようにマッサージする
- 頭頂部を心地よい程度の力で押す
- 前髪の生え際からこめかみに向かって、頭皮を上下に動かしていく
- 頭頂部から首に向かって、円を描くように押していく
頭皮を傷つけないよう、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージしましょう。
生活習慣を見直す
白髪を減らすために、以下のように生活習慣を見直すことも重要です。
気をつけること | 理由 | 対策 |
|---|---|---|
紫外線 | 紫外線が色素幹細胞にダメージを与え、メラニン色素が生成されなくなり白髪につながる | ・髪の毛に対応した日焼け止めを使う |
喫煙 | ニコチンにより血管が収縮し、頭皮への血流不足から白髪につながるとされる | 禁煙する |
姿勢の悪さ | 頭皮への血流が滞り、栄養や酸素が行き届かず白髪になりやすい | スマホを見る際、猫背にならないように気をつける |
ご自身に当てはまるものがあれば、生活習慣から改善していきましょう。
白髪を見つけた時の対策は?

白髪を見つけた時は、下記のような対策を行うとよいでしょう。
・抜かない
・根元から切る
・染める
対策を学んで、白髪に適切に対応できるようにしてください。
抜かない
白髪を見つけたら気になって抜きたくなる方は多いかもしれません。しかし、白髪を抜くことはできるだけ避けてください。白髪を抜いても白髪が増えませんが、抜くことで頭皮がダメージを受け、新しい髪の毛が生えてこなくなる恐れがあるからです。
さらに、白髪を抜くことで頭皮に炎症が起きると、かゆみや抜け毛につながるリスクもあります。また、白髪を抜くことで毛根が傷つき変形し、新しく生えてくる髪の毛がうねったくせ毛になるともいわれています。このように直毛よりもくせ毛は目立ちやすいこともあり、抜くことは避けた方がよいでしょう。
根元から切る
白髪を見つけて気になる場合、目立たないように根元から切る方法があります。周りの黒髪を切らないよう注意しながら、白髪だけを根元からカットしてください。眉毛を切るような小さなハサミを使って、鏡を見ながら切ると失敗しにくいでしょう。
ただし、カットした場合は伸びてきた白髪の断面が太くなり余計に目立ってしまう恐れもあります。むやみにカットするのではなく、できるだけ最小限に抑えてください。
染める
白髪の見た目が気になる方は、染めて目立たなくするのもおすすめです。白髪が目に入るたびに気分が沈んでしまう時は、染めることで前向きな気持ちになれるかもしれません。
白髪を染めるには、以下のようにさまざまな方法があります。
- 髪の毛の色素流出を防ぐ効果が期待できるシャンプーを使う
- 洗髪時に着色効果のあるカラーコンディショナーを使う
- 白髪用ヘアカラーを使う
- 気になる部分だけに白髪用ファンデーションを使う
自分の白髪の量やライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を選びましょう。
白髪を減らすためにできる対策を早めに始めましょう
白髪は髪の毛を着色するメラノサイトや色素幹細胞の働きが阻害されることにより発生します。その他、食生活やシャンプー、睡眠など、普段の積み重ねが原因となることも少なくありません。
早めに生活習慣を見直すことで、白髪の進行を防げる可能性も高まります。本記事で紹介した対策を、できるところから実践してみましょう。
白髪が気になる方は、白髪ケアアイテムを取り入れるのもおすすめです。たとえば、スカルプDのヘアカラーシャンプーやヘアカラーコンディショナーなら、毎日のヘアケアで自然に白髪対策ができます。ライフスタイルに合ったアイテムを無理なく取り入れてみてください。






